第4話 お嬢様は見られていた
あれから数日。不本意ながら高井戸さんのご主人様になってしまった俺は、今日も彼女の事を罵っていた。
「大体、なんでご主人様なんだよ?俺がお前にエロい事する前提みたいじゃねえか!」
『だ、だって…ご主人様に貶されるだけで、身体が熱くなっちゃうんですもの…その内暴言だけじゃなくて私に手を出すかもって思うとそれだけで…キャッ♪』
「何がキャッ、だよ?お前がヤラれたいだけなんだろうが?このムッツリスケベの変態娘が!」
『ああっ…申し訳ありません、ご主人様。私はご主人様に罵っていただいた時の録音を聞きながら、何度も自分の身体を慰める意地汚いメス豚なんですっ…』
だ、ダメだこいつ…早くなんとかしないと?そう思っていても切り札を握っている彼女には逆らう事も出来なかった。
それに段々と彼女の罵られたい欲求がエスカレートしている気がする…。今日に至っては赤裸々に自分の自慰行為について暴露までする始末である。
一見清楚な高井戸さんの1人でする行為について聞かされて興奮しないでもないんだが、いかんせん彼女の行き過ぎた言動に引いてしまっている俺がいる。
あの日以降、毎日放課後までの間わざと俺がイライラするような言動を取り(無視はたまにされるが、前ほどはしなくなった)俺が放課後爆発しやすいように彼女へのヘイトを溜めさせられる。
そのせいで以前よりも俺の沸点が下がってしまっている気がする…。ただこうして彼女にドン引きさせられると、フッと我に返ってしまう事が多い。
…なんというか、変なプレイをさせられている気持ちになるな。
「高井戸さん…今日はこれぐらいで…」
『えぇぇっ…もう終わりですか?うぅ、名残惜しいですが仕方ないですね、ご主人様。本日もありがとうございました♪』
「あのさ、放課後教室でこんな事してたらその内誰かに見つかっちゃうよ?」
『そのスリルがいいんじゃないですか?見つかってもどうせご主人様が酷い事を言ってる風にしか見られないですし』
「いやそれが一番困るんだよ…」
『でも教室以外となると…どこか人気の無い空き教室とかですか?それとも相原さんのお家に連れ込んじゃうんですか⁈』
ああ、また始まった…俺としてはこんな事をしてるのを周りに知られたくないから言ってるのに。そこまでして俺を怒らせたいんだろうか?
現状は俺の自業自得とは言え、やっぱり納得は行かない。俺の中で沸々とまた怒りが湧き上がってきてしまう。
ああ、もうどうにでもなれ!俺は両手で壁ドンをするようにして、高井戸さんに迫る。
『あ、あの…ご主人様?』
「そんなに口だけじゃなくて手を出して欲しいんなら、お望み通りにしてやるよ」
俺の言葉に喜びに目を輝かせる彼女。この変態女を本当に泣き叫ぶほど、メチャクチャにしてやりたい。
そう考えたその時。教室の扉が勢いよく開かれた。
『ま、誠?あんた、何してんのよっ⁈』
「………みのり?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます