孤

デカダンという風潮が
ずっと昔にありまして
私はあまり好きではないですし

情景も何もない無惨で可哀想な詩だと
彼らの不幸は不幸であるのかもしれないが
それは詩にするのならば退廃的を題名にするのではなく
荒廃の中の私たちの瞳について語ればいいではないかと

勝手に心の中で貶していたのですが

私は最近
多様性という言葉をようやっと学んだので
先入観なしに読んで
するとこんな作品に出会って
ただ暗くて汚くて

多分私の好きな作家のものとはまた違うベクトルの
切羽詰まった筆致で書かれていて

多分
この中に私たちの瞳があって
私たちがいて
あなただけではなく私たちすべての瞳の円環があれば

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