真夜中に現れる、ストレッチャーを押す不審な看護師。
その正体は、現世に思いを残し人間を恨む霊的存在。
しかし、獲物を追いつめたかに思えた看護師が見たものは……
と、粗筋だと不穏な雰囲気で、古典の怪談を彷彿とさせますが、ここは黒澤カヌレ様の作品。
当然そんなベタな展開にはなりません。
毎回唸らされる発想、着眼点、高度な視点誘導、キャラクターのコミカルな味付け。
それらによって、とにかくクスクス笑える一級のエンタメ作品になってます!
この題材でここまで笑わせて頂き、暖かい気持ちになるってどういう事!?
私みたいな凡才が真似したら大事故になりそうな作品。
とにかく計算され尽くしたエンターテイメントを作る事の出来る、黒澤カヌレ様の魅力をフルに味わう事が出来ます!
ってか、そもそも黒澤様の作品を無料で拝読させて頂けてるのが、申し訳ないですよ……
せめても……とサポーターになってますが(汗)
毎回、思いがけぬ展開やホラー情緒にミステリー、そしてトリックと謎解きに驚かされる作者様の作品ですが……今回も見事にやられました!
ゴースト看護師、怪異です、確かに怪異だったのです……でも読み進めていくと、「怪異が謎解きする側」に立たされた時、何故か一気に親近感・共感が発生する不思議!
怪異を主人公として、これほど身近に感じたことが、かつてあったかどうか……。恐怖アイテムのはずの「ストレッチャー」を苦労してトイレに押し込んでいる描写の時点で、なんかコミカルな面白さが既にありましたもん……!
前編の時点で「なんか可愛いな」と思わされてしまうゴースト看護師さんでしたが、後編で正体が明かされた時に可愛さが限界突破しました。ありがとうございます。
約9000字の短編、非常に面白く読みやすいので、是非とも読んでみてほしいです。そしてその可愛さの正体を知って震えるが良い(誰)
前編の謎解きや思考で興味を惹く・主人公のキャラを魅力的に立たせる……
そして後編で一気にスッキリ爽快・驚きとインパクト!
この秀逸な流れ、本当にいつもお見事!
今回は更に怪異である主人公の「可愛さ★」まで魅せて頂き、新たな楽しさにやられてしまいました……皆様も是非ともご一読、おすすめ致します!
真夜中の学校に現れる、最恐の怪談〝ゴースト看護師〟そう自称する存在のお話。
それは、今夜も人間を追いかけ回す。
だが獲物の人間は、ゴースト看護師には見つけられない。
怪異が奇怪な状況に陥る。
そして────怪異による推理が始まる。
もう斬新です。
冒頭から新奇性に溢れています。
でも、物語はこれからなんです。
二転三転する事実。
明らかになる真相。
読む者にとって、ホラーであり、ミステリーであり、コメディであり、その他の何かである物語。
ジャンルのバラエティボックスのような黒澤カヌレさんの作品。
一度、覗いてみてはいかがでしょうか。
面白いこと、うけあいです!
真夜中の学校で、恐怖を与えようと、ストレッチャーを押しながら、人を追いかけるゴースト看護師がいた。
その日もある男を追いかけて、男子トイレに入っていたのだが、しかしそいつはどこにもいない。
看護師は男がどこに隠れたか、推理をしていく……という物語です。
普通、こういうホラー作品って、人間側が幽霊の正体とかを推理するもんだと思うんですけど、この作品はその逆で、幽霊の側が推理をすることになります。そこが斬新でした。
「学校なのになんで看護師の幽霊がいるの?」と疑問に思っていたのですが、衝撃の事実が後半に判明します。
推理の方も、看護師の考えをそのまま鵜呑みにしてしまったので、後でひっくり返されて、「やられた!」と思わされました。
作者の技術が詰まった、ミステリー要素のある傑作ホラーだと思います。
是非読んでみてください。
真夜中の校内でストレッチャーを押す看護師に追いまわされる……この怪談はテレビ番組の怖い話特集でドラマ化されたものを観ていたこともあり、その時の映像を思い出すだけで背筋が冷え冷えとしてくるほど苦手だったのですが、本作はなんとその幽霊視点!
もうその発想だけで面白いが確定でした!
しかも、ホラー×コメディだけではなく、作者様の見事な手並みにより、物語は密室ミステリーへと変貌していくのです!
あのトイレの個室から、いかにして……!?
焦る姿の可愛い幽霊とともに、事件を推理する楽しさを味わえます!
怖くて面白い謎解き物語!
是非ともご一読を!!!
カヌレ先生の新作ですな。
今回は、密室ホラーミステリーです。
これが、この先生独特のポイントなんですがね?
深夜の学校に忍び寄るホラー展開だったら、登場人物は普通『逃げる側』じゃないですか。
カヌレ先生ってのはそんなことしないんですね。ちゃんと、主人公は幽霊側です。
『ゴースト看護師』
(……ああ、そういえば、舞台はなんで病院? 学校? どっちだ……?って思ったんだ……。)
ええと、もちろん人ならざる者なのですが、
なんだか暗いの気にしたり、
腰痛持ちだったり、
人じゃないのに『人が』とか言っちゃったりします。
それで、深夜の学校に忍び込んだ中年男性を、ストレッチャーを押して追いかけて怖がらせ、
トイレの個室でホラー展開に持っていくつもりが……
……
男は個室の中で消えてしまい、
『追う側』であるはずのゴースト看護師がテンパる。という物語。
果たして、
『コイツら』の正体は……!!? そしてどうやって男は密室のはずの個室から消えた……?
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
えー……ところで、
最近、弟子を自称しながら「カヌレへの嫉妬が目に余る」と言われ続ける私から、
カヌレ先生の直近の情報をお伝えいたします。
先生は現在、この物語の続編を執筆中であり、明日にでも投稿を予定しております。
作中の兄弟には、実は隠された秘蔵っ子がおりまして、
すなわち……
タヌ太、タヌ郎、タヌ丸、タヌ実、そして末の……タフマンにございます。
彼が里で異端児扱いされて、住処を追われ……
人間からの
「赤が好き? 青が好き? 白が好き?」という人間からの質問に、
「あんた方タフマン!?」と質問を質問で返してしまう。
という物語にございます。
先生の新作にご期待ください!