初ログインでいきなり弾かれた俺(PC名:師匠)が、次に目を覚ましたのは、
夜の異界を走る謎の列車。
その膝の上には、光輪を失ったメカクレ少女が静かに眠っていた。
壊されたのは、RPG世界【モミャル・ガハム】。
原因は、上位世界からの悪意ある観測によるデータ攻撃。
物語を弄び、キャラを所有物のように扱う神の視線が、あの世界を崩壊させたのだ。
唯一脱出した少女を救う鍵は、彼女の神性の書き換え。
彼女を今度こそ守るため、そしてキャラクターの物語をもう一度紡ぐため、
俺は師匠となり、彼女の新たな世界【聖者の森】へと導くことになる。
協力者は、デッキブラシを手にした眼鏡のメイドうさぎ。
追ってくるのは、崩壊した物語の残骸と、世界を消費する存在たち。
俺たちはまだレベル0。
これは、NPCを、物語を、決して消費させないための旅。
そして、物語を観ているキミたちへの、ささやかな反逆でもある。