第3話 誕生日と命日
翌日、8月23日は俺の誕生日だ。
苦痛の時間である高校が終わり、即帰宅していた。
……8月23日は俺の両親の命日でもある。
あのペンダントを誕生日プレゼントとしてもらったあと、ちょっとお高いレストランに行こうとした矢先、暴走した車が突っ込んてきた。
両親に守られた俺は軽い骨折で済んだが両親は即死だった。
以来、両親の命日にだけペンダントの中に入っている思い出の家族写真を見るのが慣習になっている。
……やめよう、暗いことを考えていても仕方がない。
今日は、俺の誕生日でもある。
ただ、俺は嫌われているため、お祝いされることも、美味しい料理を振る舞ってもらえることもない。
ただ、最後のわがままとしてお祝いされなくてもいいから、誕生日を今の家族に覚えていてほしかった。
まあ、12歳頃までは祝われていたし、大丈夫だろう。
そんな思考をしながら、家の扉を開けた。
そのまま、リビングにいた家族のもとへ向かい、声をかけた。
「あの、今日俺の誕生日なんだけど……」
「はぁ?だから何?犯罪者の分際で図々しいのよ!お前の誕生日なんて心底どうでもいいわ!」
と、義母がいった。
続けて義父が、
「お前なんて高校を卒業したら出ていってもらう!仕方がないから育てているが、お前が生まれてこなければこんな苦労をすることもなかったんだ!」
「そう……あ、ありがとう話聞いてくれて…」
そういうと、俺は部屋に向かって逃げ出した。
なぜだか無性に悲しかった。
俺の存在なんて誰も見てくれていない、育ててもらってるだけ感謝しろ、と思うが、この気持ちが収まることはない。
また、いつものようにあの頃のことを思い出す。
俺を愛してくれた人もいたんだと、気持ちが楽になるとそう信じていた。
扉を閉める余裕もなく、部屋に戻った俺は、勉強机の3段目に大切に入れておいた古びたペンダントを取り出そうとした。
だが……
(ペンダントがない……どこだ、どこに……)
そんな思考が、浮かんで消えた。
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まず、フォローしてくれたお方ありがとうございます!
自分で言うのもなんですが、文才が皆無なので書くのに苦労しています。
次話は主人公の破壊をするので(第一段階目)お楽しみに!
ちなみに次話以降も主人公は破壊し続けます。
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