朝が生まれるたびに繰り返される日常。
しかし、その静けさの奥には、波のように寄せては返す感情のうねりがある。
夫がどこへ行き、何を思い、二人が向き合う朝食の時間に流れるもの――それは単なる習慣ではなく、切っても切れない「何か」だ。

文章は静謐でありながら、その行間には言葉にしきれない想いが満ちている。
抑えられた筆致だからこそ、読者の心にじわりと染み入る余韻が残る。
思いを馳せる「ある人」の存在が、物語の核心にそっと触れたとき、胸を打つ。
淡々とした日常に潜む、決して断ち切ることのできない繋がりを描いた、静かでありながら力強い作品です！

まず惹かれたのはそのタイトルと印象的な冒頭。
穏やかに描かれる朝のワンシーンは丁寧な暮らしを営む中年夫婦の様子から始まる。
その美麗な文章を追っていくと、その先には感動的な家族の風景が。

読み終えたら絶対、読んでよかったと思う作品。
こんな綺麗な文章書いてみたいなぁ(*´ω｀*)

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（95文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（119文字）

家族の肖像を描いているようでした。

有名な絵画『夜警』、これは肖像画を頼んだのにドラマチックな絵画になったそうです。

こちらの家では、平凡なようですこしカタイ感じもある暮らしをしており、後にトラブルがあり、すれ違ってしまったのです。

小技をきかせたというよりも、技巧ではなく心の音で崩れたハーモニーを元に戻したい気持ちが伝わります。

センシティブな内容は、本当に生きている人間ならどうなのかと、私の個人的な見解では、絵の向こう側のようでした。

しかしながら、小説に命を吹き込む秀逸な本作です。

是非、ご一読ください。