不器用な父が亡くなった。全てを私に押し付けて……誤解と後悔から始まる親子と、娘の決意の羽ばたき。ご一読を!
死は悲しみに違いない。なかんずく近親者の死は悲しみに違いない。しかし、その悲しみが心の中で昇華されたとき、それは輝く翼に変わるのだろう。ストレートな思いが胸を打つ、素晴らしいヒューマンストーリー。
主人公は、ある時突然大切な人を失う。半ば自暴自棄、茫然自失となったその人は、大切な人の言葉を思い出し、ある場所へと向かうのだが……。何かに絶望した時、人の背中を押すのは、やはり人の言葉なのかもしれない。
身近な人間の死に直面した者の心理が、確たるメッセージとともに巧みに描写されていました。不器用故に大事なときに上手くコミュニケーションができず、それでも想い合っているから不器用な形でも大事なものは損なわれることはありませんでした。切なくも心温まる物語でした。
ヤボを承知でいいますと、多くの作家たちは創造した想像したキャラクターたちほども強く生きてはいないわけですよ。でもまぁそれでも、生きているのです。ならばそれでも生きていける程度には、世界というものは優しくできてはいるのです。物語に涙して一応思い出すとしてね。大変よろしいと思います。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(237文字)
大切な家族との永遠の別れ。 つらいですよね。 慰めの言葉も耳に入らないほどに。 最期のときに、十分に名残りを惜しめなかった彼女の救いとなったのは? そして彼女は、自分の夢をどうするのでしょう? 読んでみてください。