概要
人格者だった組長が亡くなり、勃発した跡目争いにうんざりしていた若頭の篝恭司(かがり きょうじ)は、ある日、屋上で舎弟のカツと一服しながら「どっかに消えちまいてぇな」と呟く。
二人を襲った急激な目眩。気付けば事務所のある町内は、異世界に転移していた。名声を得る為に冒険に出るもよし、新しい人生を歩むもよしのこの状況、篝の選択は――。
「異世界だかなんだか知らねぇが、シマを荒らす奴ぁ許さねぇ」
ろくでもない自分を拾ってくれた事務所と、慣れ親しんだ町内。大切なシマを守る為、若頭と舎弟は奮闘する。
そんな彼らの下には、異世界の住人や転移者たちが徐々に集まり始め、やがて彼らは無視出来ない存在へと成長していく――。
転移し
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!任侠による、縄張りと仲間たちのための、明るく愉快な異世界ライフ。
たいていの人間は、ある日突然、異世界に飛ばされてしまったらかなり驚くし、困るし、不安や恐怖を覚えたりするものではないでしょうか。
しかし、この物語の主人公(ヤクザ)とその相棒(子分)は、呆れるのを通り越して感心するレベルでタフです。『こうなった以上は仕方ない』とばかりに目の前の現実に適応し、悲観もせず悲愴にもならず、『俺たちの町を護る』という強い気持ち一つを武器に、あくまで明るく奮闘します。
その醍醐味は、何といっても、登場人物たちの軽妙洒脱な会話です。ボケもツッコミも、考え出すには知識と教養が必要ですし、センスとテンポの良さも不可欠です。現実の芸人さんなら、表情や口調というエッセンスを加え…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異世界転移とヤクザのミスマッチが最高に面白い!
町ごと異世界へ転移した主人公のカガリと弟分のカツ。
二人の職業(?)はヤクザ。
そして、転移や転生モノにお約束のチート能力は皆無。
つまり、荒事に強いただの人間。
突然の転移に驚いた彼等がどうするのかと思えば、なんと当面の目標は、彼等の属する組のシマである、この町を守ること。
……え、探索とかしないの?(笑)
と思いましたが、突然現れた見知らぬ町。
自然と、向こうから魔物も人もやって来ます。
とはいえ、いくら荒事に強いヤクザと言っても、剣や魔法、魔物や、それこそドラゴンなんている世界。
そんな世界で、二人のヤクザが町を守れるのか!?
仁義を重んじ、弱い者を助けるために体を張る。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お猿さんが好きです。ゴリラさんは、もっと好きです。
「ありがとうございまあすウホ」
「おい、ちょっと待てや。ありがとうございます、でいいだろが。なんで隙あらばウホを挟む!そもそも、なんでゴリラさんはもっと好きです、で頬を赤くしてんだお前は!」
転移者、ヤク○なの?
回れ右、をされそうな方、どうか、少しだけこちらをご覧になってみてください。
ウホ、ではなくてツッコミの方が、我らが主役のヤ○ザのカガリさんです。
ウホ、さんは人か、ゴリラさんか。その謎も、ご覧になればすぐに解けます。
ファンタジー世界はあまり知らなくて、の方にもおすすめです。カガリさんの舎弟さんが、明るく楽しく語ってくれます。
カタギには優しい、ツッコミ○クザ。このツッコミは、癖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異世界と仲間達へのツッコミが止まらない!?苦労系兄貴、心の故郷を守る!
タイトルとキャッチコピーとあらすじに偽りなしです。ここでは魅力を語りたいなと。
主人公たるカガリは、1人の舎弟と、思い出の町と共に異世界転移。
いわゆる異世界モノへの前知識が0なカガリは、襲い来るモンスターや説明無しのシステムに文句を言いながら、自分の全てが詰まった「町」を守るために奮闘します。
親しんだ住民もいない、町から出れば異世界。それでも故郷を壊されるのは許せない。
そういうちょっと切なくもアツい人間味が行動原理になっているのが大好きです!
そしてギャグ。
異世界に詳しい愛すべきアホ、舎弟のカツを始めとして、仲間になる人達が頼もしくもちょっとずつおとぼけなんです。
増えていくツ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!仁義で異世界に立ち向かえ。愛する街を愉快な仲間と守りぬく、熱い男の物語
街ごと異世界転移したヤクザの主人公が、舎弟と共に街を守りぬく物語ですね。本格的なファンタジーを執筆されておられる作者さまならではの「世界感の作り込み」もさることながら、ゲーム的なわかりやすい要素もアクセントとなっているために、非常に読みやすく仕上がっております。
なんといっても魅力は主人公の『兄貴』こと『カガリ』と、弟分である『カツ』の掛け合いですね。転移の影響か無人となり、魔物の脅威にさらされ続ける街ですが、この二人がいることによって「住みたくなる街」に思えてくるのですから不思議です。
もしかすると読者さまの中には「ヤクザ」に忌避感をいだかれてしまわれる方もおられるかもしれません。しか…続きを読む