概要
後宮の火ノ竜はやがて、苛烈な愛を巫女へ捧ぐ
神に遣わされた火土風水の四竜人が、百年ごとに交代で竜皇となり治める国、四竜皇国(しりゅうおうこく)は、自然豊かで平和だ――火ノ竜が竜皇に就く『災厄の代』以外は。
火ノ竜皇即位の令が発せられた竜都で、人々は不安を感じていた。獰猛で野蛮である火ノ竜・焔(ほむら)の苛烈な性格通り、地上には争いや怨嗟が渦巻くと言い伝えられているからだ。竜皇の側付きとなる火の巫女として白羽の矢が立ったのは、正二位である右大臣の長女・春姫(はるひめ)であった。が、策略でもって従七位である朝比奈(あさひな)家の長女・琴乃(ことの)へ替えられた。五年前に声を失い、話すことができない琴乃は、病床の弟の世話を生き甲斐にしていた。渋々後宮へ参内すると、噂通り口も態度も悪い焔と出会う。
巫女になるならと水ノ竜により、琴乃は声を治さ
火ノ竜皇即位の令が発せられた竜都で、人々は不安を感じていた。獰猛で野蛮である火ノ竜・焔(ほむら)の苛烈な性格通り、地上には争いや怨嗟が渦巻くと言い伝えられているからだ。竜皇の側付きとなる火の巫女として白羽の矢が立ったのは、正二位である右大臣の長女・春姫(はるひめ)であった。が、策略でもって従七位である朝比奈(あさひな)家の長女・琴乃(ことの)へ替えられた。五年前に声を失い、話すことができない琴乃は、病床の弟の世話を生き甲斐にしていた。渋々後宮へ参内すると、噂通り口も態度も悪い焔と出会う。
巫女になるならと水ノ竜により、琴乃は声を治さ
ありがとうございます!エンゾ@コワカワ皇太子から、お礼のコメントをさせていただいております。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!巫女の燃えるような心が竜の心をとかす
七歳下である弟・五典の世話に人生を捧げていたはずの琴乃は、突如として、火ノ竜・焔の巫女に任命されます。
琴乃は気弱で巫女としての仕事も、火ノ竜・焔へもどう接すれば良いのか分からず戸惑います。
しかし、ある話に登場するこの琴乃の言葉。
「はい。わたくしは、このお役目に全力を尽くす所存です」
自分が成すべきと思ったことを実行に移す芯の強さと、覚悟を決めて立ち向かう強さが根っこにはあります。
芯の強さと覚悟、そして他者を想う心。琴乃の心のありようが、味方を作り、人と竜の心をとかし、それも彼女の力となります。
琴乃の周りを囲む人と竜も個性に溢れ、読んでいて楽しくなります。
少将・充輝は、琴乃と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛さえも、燃えるよう
声を失い話すことができない琴乃は、ある日皇帝の側付き巫女に選ばれる。皇帝と言っても、それらは竜人と呼ばれる者達で、人ではない。
四竜皇国(しりゅうおうこく)は、竜人が治める国。火土風水の四竜人が、百年ごとに交代で竜皇となる。国は平和。しかし、四百年に一度巡る火ノ竜の御代は、『災厄の代』と呼ばれ、奇しくも琴乃は火ノ竜――焔の巫女となったのだった。
始まりからして、陰謀の匂い漂う。陰謀に思惑漂い巡る宮中に放り込まれた琴乃。焔との邂逅も、良いものとは言えなかった。しかし、それでも健気に頑張る琴乃姿は、逞しくもあり、支えたくなる。
そんな姿に焔との距離も……。
陰謀に、陰陽師、思惑に。二人の関係…続きを読む