概要
僕は彼女を、何度も、何度も、思い出せるようにこの物語を書く
僕は彼女を、何度も、何度も、思い出せるようにこの物語を書く
君が居たという事実より、もっとはっきりと祐月という女の子を思い出せるように……
君が居たという事実より、もっとはっきりと祐月という女の子を思い出せるように……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「愛とは?」と自問する時――そのたびに、私はこの物語を読み返すのです。
何と書けば良いのでしょう、「面白かった」「泣けた」、そんな言葉だけでは収まらず、なかなかレビューを書けなかった不甲斐なさとお恥ずかしさ、まずは陳謝いたします。
涙と鼻水を拭きつつ言葉を探す時間は、さながら〝愛とは〟何かを探す時間に似ていました。
けれど、答えはこの作品、『アイトハ』にあります。きっと、多くの方が、この作品を通して考え、自分なりの〝アイトハ〟という答えを見つけられるはず。
人の想いや感情は不定形で、だからこそ〝愛とは〟何だろうと、本当にそんなものはあるのだろうかと、思い悩むこともあるかもしれません。
けれど、きっとそれは、あるのだろうと信じられます。
たとえ、死…続きを読む - ★★★ Excellent!!!十年後のあなたへ
主人公の冬哉と彼女の祐月。彼女が彼へ宛てた時を超えた手紙が、胸を、瞼の裏を、どこまでも熱くする物語です。
彼女の命が削られ薄まっていく描写が現実味を帯び、巧みな比喩で綴られる命の営みに胸が締め付けられていくようです。命を繋ぎ止めようとする笑顔に視界が歪み、滲んで見えてきます。
「……私は絶対に死なないから」
彼女の小さな呟きに冬哉は、奇跡は神様ではなく、本人が起こすものと信じて止まない、この揺るぎない想いが胸を打つのです。心の強さで目の前にある死を乗り越えようとして……ダメだ、この物語を読むと、思わず、心が震えてしまう。
思い出がいつまでも心の中に生き続けるために、彼はこの物語を書き続…続きを読む