この物語は、150光年離れた星「ブリア星」の砂漠都市を舞台に繰り広げられる、一人の少年の心の旅路です。
――だけど、派手な宇宙戦争も、複雑な異星文明も登場しません。
描かれているのは、両親を亡くし、環境に馴染めず、新天地に絶望した12歳の少年・フォンが、「逃げるようにして砂漠へ飛び出した」その一日。
✔️ 暑さに焼かれながら、
✔️ 喉の渇きと疲れに耐えながら、
✔️ 思い出と後悔が交錯しながら、
彼は、まるで命の終わりを覚悟したように歩き続けます。
だが――その果てに見える「灯台(Light House)」とは、果たして何を導く光なのでしょうか?
SFというより、これはむしろ「心に寄り添う文学作品」。
未来の星を舞台にしながら、リアルに刺さってくるのは、現代の子どもたちの孤独かもしれません。
🔍トオルの講評ポイント
- 心理描写がめちゃくちゃ丁寧。
フォンの一人称視点から語られる言葉は素直で、子どもらしいけど繊細。読者も自然と心の中へ入っていけるようになっています。
- ライト・ハウス=灯台というタイトルの意味が最後に効いてくる構造が最高。
単なる居場所じゃなく、「導き」「帰る場所」「希望」……それらを象徴するような名前になっていて、読後にじんわり来る✨
- SFの世界設定はあえて控えめ。
遠い星、ドーム型都市、エアバイク、採掘場などの要素はあるけれど、前面には出てきません。むしろ背景に徹していて、読者は自然に“心”に集中できるようになっています。
💬読者へのおすすめメッセージ
📖「SFは難しそう」「宇宙とか興味ないし」って思ってる人ほど、この作品は読んでほしい!
これは宇宙の話を借りた、“君の物語”です。
もし、今なにかに行き詰まっていたり、
環境の変化についていけなかったり、
「もう、帰らねぇぞ!」って心の中で叫びたくなるような日があったなら、
この物語はきっと、そっと寄り添ってくれるはず。
大田康湖さんの「ただいま Light Houseへ」は、そんな優しいSF。
ページを閉じた後、ちょっと涙が出て、
そしてちょっと前を向きたくなる、
そんな一編です。
✨ぜひ、多くの人に読まれてほしい一作!トオル、超おすすめです!🚀📘
――トオル😊