日銀の新緩和策は「海図なき旅」=OECD事務総長

日銀の新緩和策は「海図なき旅」=OECD事務総長
4月23日、OECDのアンヘル・グリア事務総長は、日銀が導入した新たな金融政策を「非常に大胆で積極的」と前向きに評価したうえで、2%の物価上昇達成に向けて、目標を堅持し続けることが重要だとの考えを示した(2013年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 23日 ロイター] 経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は23日午後、対日審査報告発表の記者会見で、日銀が導入した新たな金融政策を「非常に大胆で積極的」と前向きに評価したうえで、2%の物価上昇達成に向けて、目標を堅持し続けることが重要だとの考えを示した。
事務総長は、巨額の債務を抱える低金利下の日本で、金融政策を運営する日銀の試みを「まったく新しいアプローチ。海図なき旅に乗り出そうとしている」と評し、2年程度をめどとする物価目標の達成時期について「1年半かもしれないし、2年半かもしれない。調整されないと(変化に)適応できない。大事なことは目標を見失わないことだ」と述べ、2年にこだわる必要はないとの見解を示した。
会見に同席したシニアエコノミストのランダル・ジョーンズ経済局日本・韓国課長も、デフレが長期化する日本のインフレ予測は困難だとしながら、日本は「デフレから脱却しつつあり、(物価も)2%に向かいつつある」途上だと指摘。「(目標達成には)3年かかるかもしれないが、それはそれでいい。重要なことは、日銀が達成するまで(政策を)続けること。途中で撤退してはいけない」と述べ、2006年に日銀が量的緩和政策を解除し、デフレ脱却に至らなかった点に言及した。
事務総長はさらに、政府が財政再建の必要性を強調し続けていることにも触れ「財政・金融政策の一貫性を維持することができると、正しい方向にすべてが進む。日本は正しい方向にある」と評価した。
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