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いまの株価の「適正値」は〇〇円…金利上昇で日経平均はどこへ向かうのか【ストラテジストが解説】

いまの株価の「適正値」は〇〇円…金利上昇で日経平均はどこへ向かうのか【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2025年5月22日に公開したレポートを転載したものです。

日経集計ミスで予想PERは二桁減益予想に下方修正か?

読者のなかには熱心に株価水準の妥当性、すなわちバリュエーションのチェックをしている方がいるだろう。手軽なのは日経新聞の市況欄で予想PER(株価収益率)の指標をみることだ。それを行っている方は目を疑ったに違いない。先週、金曜日(2025年5月16日)の紙面に掲載されたPERは16.29倍、翌土曜の紙面ではなんと17.27倍台に跳ね上がっていた。それをベースに予想EPS(1株あたり純利益)を逆算すれば、2,180円程度まで急減する。いきなり二桁減益予想に下方修正か?と訝しんだ方もおられただろう。

 

しかし、これはなんのことはない、日経の集計ミスである。データベースからメガバンクの利益額がそっくり抜け落ちていたのだ。金曜日の朝刊1面で「5大銀、2期連続で最高益」という記事を打ちながら、その最高益をデータから欠損させてPERを計算していたという、笑えないオチである。

 

これをそのまま使って、前回記事(5月20日配信『市場がトランプ関税の限界を見切り、日経平均回復…今後は「4万円台」回復を目指し、上昇基調が続くのか?【ストラテジストが解説】』)では、日経平均のPERについてコメントしたが、ここで訂正しておく。まだ今日付け(5月22日)の紙面ではPERは16倍台となっているが、これも怪しい。正しくは15.4倍程度だろうと思われる。

 

いずれにせよ、極端に低い値は間違いなので、それを無視すると予想EPSは2,400円程度に落ち着くだろう。

 

金利上昇…いまの株価は理論値どおりのフェアバリュー

だが、問題は再び金利が上昇していることだ。

 

出所:QUICKデータよりマネックス証券作成
[図表1]日経平均のEPSと日本の10年債利回り 出所:QUICKデータよりマネックス証券作成

 

株価の理論式(DCF)に、EPSと金利をあてはめると、3万7,000円となる。現在の株価はほぼ理論値どおりである。

 

出所:筆者作成
[図表2]株価の理論式(DCF) 出所:筆者作成

 

出所:筆者作成
[図表3]株価の理論式(DCF) 株価の計算過程とその結果 出所:筆者作成

 

業績予想はとうぶん大きく変化しないだろうから、ここからは金利の動きが鍵を握る。再び上昇基調を強めている債券利回りには、財政問題などさまざまな要因が影響する。引き続き、注視していきたい。

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『今の株価は理論値通りのフェアバリュー』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。

 

 

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