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立地が不便であっても、定住目的で低価格リゾートマンションに入居する高齢者は珍しくありません。しかしそういった高齢者ばかりではマンションの修繕も見込めないばかりか、解体さえできないでしょう。近年苗場でも増加している「0円物件」がその傾向を強める原因になると吉川氏は指摘しています。本記事では、吉川 祐介氏による著書『バブルリゾートの現在地 区分所有という迷宮』(角川新書)より一部を抜粋・再編集して、苗場のリゾートマンションの実態についてご紹介します。

リタイア世代がリゾートマンションを購入する理由

決して多数派になっているというわけではないが、現在の湯沢のマンションにおいては、定住目的で購入する人が一定数存在する。

 

これはリゾートマンションに限らず全国の別荘地で見られる現象で、多くの場合、定年退職を迎えるなど、仕事をリタイアした世代が買主だ。終の棲家として、中古価格が安くなったリゾート物件を購入して定住している。

 

利便性の良くないリゾート地で高齢者が定住、と聞くと訝しく思う方もいるかもしれない。

 

だが、例えばその方が定年まで都市部で賃貸物件で生活していた場合、その後の年金生活では高額な賃料を支払い続けることに不安があり、年齢的に賃貸物件の住み替えも難しくなる。今さら高額のローンを組むこともできないし、不便を承知のうえでリゾート物件を購入するのだ。

 

皆が皆、渋々移住しているというわけでもないのだが、ステレオタイプの移住のイメージとしてよく語られる「スローライフ」や「自給自足」、「悠々自適な田舎暮らしを」といった動機でリゾート地を選択しているわけでもない。予算と照らし合わせて、これが現実的な選択肢の一つなのである。

 

湯沢町のマンションも価格が低迷するにつれ、そのような定住用途で求める購入者が常に一定数、存在しているという。一軒家につきものの雪下ろしの負担から逃れるために、新築当初から定住目的で購入した地元在住者もいたそうだが、基本的には他市町村からの住み替え需要である。

 

越後湯沢駅周辺であれば、やや観光客向けの施設に偏っているとはいえ一通りの商業施設はあるので日常生活に困ることはない。また、岩原スキー場前駅周辺も、越後湯沢駅に比べれば利便性は劣るとはいえ、それでも直ちに生活が困難になるというほどではない。ここでも問題は苗場である。

 

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次ページ不便でも苗場のマンションを選択する高齢者たち

※本連載は、吉川 祐介氏による著書『バブルリゾートの現在地 区分所有という迷宮』(角川新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

バブルリゾートの現在地 区分所有という迷宮

バブルリゾートの現在地 区分所有という迷宮

吉川 祐介

KADOKAWA

バブル期に大量に建設されたリゾートマンション、会員制リゾート―― ・アクセス難で苗場のマンションが10万円 ・40平米の1Rマンションを見ず知らずの20人で所有 ・リゾートホテルの建物が1250分割、ワンフロアが200分割…

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