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特集 2025年5月12日

おだやかな天気のとき、天気予報でなにを話しますか?~気象予報士 増田さんに聞く

毎朝テレビでも天気予報を伝えている気象予報士、増田さんに話を聞く月1連載。
平凡で穏やかな天気のときでも天気予報の時間は一定です。話すことがなかったり時間が余ったりしないのでしょうか。
気象予報士のノウハウが詰まったインタビューになりました。(構成とここの文章・林雄司)

1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:3月の激しい寒暖差は暖かい日の気温が上がっているから~気象予報士 増田さんに聞く

> 個人サイト >ウェザーマップ・増田雅昭 >ツイッター @MasudaMasaaki >ライターwiki

今回もこの4名でお送りします
いったん広告です
今年の4月は平凡だった

林:
4月は気温も降水量もほぼ平年通りでした。4月は普通でしたっていう見解で合ってますか?

増田:
平凡でしたね

西村:
でも、いいことなんですよね。

増田:
いいことなんです。落ち着いた天気。自分の記憶だけかなと思って、昨日から今日にかけて、気象予報士10人に聞きましたが、なかったですね。

林:
こんなになにもない月は珍しい。

増田:
珍しいですよね。4月って冬が終わって春に向かってだんだん気温が上がっていくときなのでけっこう気温変化が大きいんです。
その気温の変化を埋めようとして、低気圧が発達して嵐が起こるとか。気温差もあったかい方が極端だったら30℃があちこちで出るとか、逆に低い方が極端だったら都市部で雪が降ったりとか、極端な天気が出やすいシーズンなはずなのに、平凡でしたね。

平凡でしたね

林:
そういう4月だった

増田:
なんかあります?

小林:
思い出せない……

林:
では5月ですが、この連載も2020年からやっているんで、これまで5月に聞いたことをまとめてきました。

・偏西風に乗って暖かい空気がやってくる。北海道で30℃を越えることもある
・暖かい空気が4日から5日、日本に居座る
・気温が上がっていく
・5月の週間予報は曇りや雨が出やすい
・太平洋高気圧が一時的に強まって梅雨前線が押し上げられることがあるが、長続きはしない
・沖縄など南の方は梅雨に入ると本州付近はすっからかんになって晴れが長続きするということもある

増田:
我々、皆さんの記憶が薄まることもあり、毎年毎年同じようなことを言ってるわけですけれども、こうやって文字に落とされて突きつけられると黙るしかない。

林:
いやいやいや、今年の5月はなんかあるぞっていうのはありますか?

増田:
もうこの通りです。もう時期ごとにどこかに当てはまるかなという

林:
だって矛盾したことも書いてますからね。意地悪でした。
梅雨が沖縄に行って本州が晴れることもあるし、本州で梅雨っぽくなると両方書いてあるから。

増田:
だってそうなんです

いったん広告です
なにもないとき、まず話すのは防災事項

林:
そんなに話すことがないのが今月だと思ったので、逆にそこを聞きたいと思います。
穏やかな天気のときでもテレビの天気予報の長さは変わらないじゃないですか。
こういうときって、何を話しますか。

増田さんはTBS系列の朝の情報番組「THE TIME,」で天気予報を担当しています

増田:
ですよね。確かにそう言われてみて、何をしゃべってるんだろうと考えてみると、意外と体系的にできるって思ったんですけれども、まずやっぱりいちばんは防災事項ですよね。これは天気予報の使命と言いますか、台風が来るとか、大雨や暴風が来て嵐、大雪、そういう防災事項がやっぱり1番ですよね。

林:
5月だと急な大雨とか?

増田:
そうですよね。5月だったら激しい雷雨もありますし、

西村:
雨がすごい降るとか、強い風が吹くっていうだけじゃなくて、めちゃくちゃ乾燥するとか気温が高くなるとか。

増田:
季節によってそれも防災事項にはなりますよね。気温も春先だったらすごく上がっても、上がりましたねぐらいですけど、夏にすごく上がると災害に直結しますし。
乾燥も、5月に乾燥すると気持ちいいですね、ですけれども、2月3月の乾燥は、今年なんかそうでしたけどね、山火事に直結するとか。

林:
気温、乾燥。防災事項としてはほかに何がありますか?

増田:
風もそうですよね

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防災事項がなかったら雨→気温

増田:
ただもちろん、特に防災事項はない日もある。
5月と想定すると、次は雨があるかどうかですよね。

林:
偏西風の話はまだしないわけですね

増田:
そこまでまだ行かないです。雨があれば大丈夫。
雨だって、いろいろ膨らませ方があって、その雨の降り出しがいつか。降るかどうか微妙だったら、降水確率もありますし、降り方だってあります。
それで時間稼ぎじゃなくて(笑)、時間をこう……費やさなきゃいけないというね。

時間を稼ぐじゃなくて費やす

増田:
雨が全く降らないとなったら次はやっぱり気温ですよね。
暑いか寒いかそこに皆さんの関心はあると思いますから。
今日はすごく暑くなるんだったらその話だし、朝晩冷えるのであれば冷えるという話だし。この気温も時間の潰し方じゃなくて費やし方もいろいろあって、気温の差が朝と日中ですごく大きいっていうのもあります。
あとはもっと気温を詳しく見ていくと、23℃が半袖、長袖の境目です。
そうすると、「23℃を超える時間は、これぐらいからこれぐらいです、この時間は半袖でもいいですよ」とか、こんな膨らまし方も

林:
半袖兄さんが登場しますね
注)増田さんが提唱している23℃を越えたら半袖の覚え方。半袖兄さん(兄さん=23)。

林:
朝の天気って何分ぐらいですか?

増田:
朝はやっぱり短いですよね。コンパクトにキュってして短いコーナーだと1分とかもありますし、長くて3分ぐらいですね。
気温も今日のことをストレートに言うのもあれば、昨日と比べてどうかという、そんな目線もありますね。例えば昨日と比べて、今日なんて10℃以上も高くなる。さあ大変だ!

西村:
大変だ(笑)

増田:
ただ、これもね、たまには昨日と変わらず、平年並みっていう日もたまにある。
だんだん追い詰められていくんですけど、次は風があります。
風がこの時間は少し強まりますよ。洗濯物飛ばされないか大変だ。風が強まる時間があるかどうか、そこも大変ですよね。

林:
どこかに低気圧があるんですね

増田:
低気圧がある場合もありますし、日中晴れて、海と陸との温度差で海風が強まったりして、沿岸部を中心に風が強まることもあったりして。
洗濯物大変だ、と。気温は平凡だったけど、風が加わると体感温度が大変だ、みたいなね。
こういうふうな時間を費やさなきゃいけない場面っていうのもあるんですよね。
いや、いろいろ言うことありますよ。

林:
雨、気温、風で何かしらには引っかかる

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雨も気温もなければ湿度登場

増田:
引っかかりますよね。でも、それでもね、風がすごい弱いっていう日がある。
そこまで追い詰められてくるとね、もう湿度に行くしかない。

追い詰められた

林:
湿度きた!

増田:
湿度までいくと、「ははーん」って皆さん思っていいんじゃないですか。湿度が出てきたぞ。今日は湿度の情報がなんかボリューム大きいぞ、みたいな。デイリーポータルZを読んでいただいている皆さんにはわかっていただける。

林:
湿度は、低いってことですよね

増田:
湿度が低いことを気にしている方もいれば、高いことを気にしてる方もいらっしゃる

林:
高いことを気にしてる人がいるんですか?

増田:
ちょうどいいぐらいの気温でも、湿度がちょっと高めだと汗ばむ、暑いよっておっしゃる方もいるので。じめっと・からっとどっちかもね、詳しくお伝えします。

林:
イエスノーチャートみたいになってきました

いったん広告です
湿度がだめなら紫外線がある

増田:
湿度も50パーセント前後、昨日との差もないとなったら、ここからですよね。
もういろんな球種を駆使していく。ダルビッシュに負けないぞっていうぐらい。
注)ダルビッシュはとても多くの変化球を投げ分けます

増田:
まずは比較的メジャーどころとしては、紫外線がありますよね。変化球でいえばチェンジアップぐらいですかね。紫外線も気にしている方がたくさんいらっしゃいますからね。
紫外線だったり、ちょっと前の時期だったらね、花粉があるんですよ。
いきなり花粉とか紫外線が、今日のポイントはこちらって出てきた時は、「ははーん」って思っていただいていいと思います。

林:
なにもないんだな、と

増田:
ポイントに紫外線が来たときはなかなかですよ。
雨とか気温とか風とか全部すっ飛ばして、紫外線になるんですから。

林:
紫外線って日によって変わるんですか。

増田:
紫外線は変わります

林:
晴れ具合によってですか 。

増田:
紫外線もね、膨らませ方あるんですよ。
強いとか非常に強いとかありますけれどもね。
それをちょっと丁寧に説明すると、やや強いというのは、1時間何も対策せずに外に出ると焼けるぐらいですよと。
それで、今で10秒膨らみましたよね。
あとは、「この強い時間を時間ごとに見ていくと、お昼前後はやっぱり強いんですけれども。ただ、5月まで来ると朝9時を過ぎるとそろそろ対策が必要なぐらいな、それぐらいの紫外線になってきてます。」
今で25秒ぐらい行ったでしょ。紫外線でも結構いけるんですよ。

紫外線でも結構いけるんですよ

林:
そうですね~(笑)

増田:
曇りの日だったらどうすんの?と思うでしょ。

林:
なにがあるんですか。

増田:
あるんですよ。紫外線っていうのは晴れの日だけじゃないんです。
そう、「快晴の日を10割とすると曇りの日でも6割ぐらいの紫外線が降り注いでいるんです。雨の日でも3割が来てますからね。」これで15秒いけます。

林:
すご

ここまでのまとめ
それでもだめなら明日の話をする

増田:
結構あるでしょ。これはいま要素ですけれども、時間を変えるっていうのがあるんです。もちろん朝の天気予報なんかは今日を中心にやるんですけれども、今日がなければ明日があるさと、明日を探す。
で、明日で、また雨から始まって、気温があって、風があって、ラインナップがずらっともう1種類出てくるっていう。
真ん中だけじゃないんです。内角でいろんな球種っていう攻め方がある。

選択肢が増えた!

林:
2日続いちゃうことないんですか。昨日もこの人の紫外線話したぞって思われたり。

増田:
そこはね、やっぱり昨日と同じ話はしないようにしてます。同じ球投げると打たれます。チャンネル変えられます。変えられないように球種を変えていく。

林:
視聴者以前に、番組のディレクターが、昨日も話しましたよねみたいなこと言うかもしれないですね。

増田:
そういう人もいらっしゃいます。だから、いろんな球種を準備しておいて、で、苦しくなってきたら先への時間を伸ばす。今日がダメなら明日があるさ、明日がダメってもその翌日がある。明後日まで行って、今週の話があり、今週がダメだったら来週。

西村:
長めの視点になっていく

増田:
「台風が今年はまだ発生していませんが、来週、発生しそうですよ。」
「来週は季節が1段前に進みます。暑さの階段1段昇ります。来週の気温見ていくと、ほら、25℃連日超えて、27、28℃。」
これで20から30秒いけます。

林:
本当に球種とコースの話に似てますね。

増田:
要素だけでもこれだけいけますからね。だんだん中堅、ベテランになってくると、あまりストレートに近くない球種を織り交ぜていく。例えばことわざとか。

小林:
なるほど

増田:
こんな雨の言葉があるんです、風の言葉があるんですと、季節の風流な話題とかをさりげなく入れていく。それが中心になりすぎると、ワンパターンで打たれちゃうので、さりげなく織り交ぜていくっていう。

まだまだあるんですよ。本当にこれでもまだ苦しいとき、例えば晴ればかり続いたら、そもそもなんでこんな晴れているかっていうと、高気圧が晴れをもたらしているんです、とか。
高気圧ってそもそもなにかって普段の天気予報ではなかなか言わないですから。
そもそも論とか、ちょっとしたその仕組みなんかを言っていく。
そして、風ってなんで吹くかとか、そういう話をちょっと。

林:
どんどんプリミティブな話になっている

増田:
ということもやりすぎるとくどいと言われるので、さりげなくさりげなく。

西村:
なにも言うことなくてたまにやる話題だったら全然ありですよね。

増田:
結構いろいろありますよね、そうですね。

小林:
落語家さんの枕みたいですね。

増田:
ピッチャーでもベテランはやっぱりいろんなね、引き出しを持ってるって言うじゃないですか。

ネタは前日に決めておくが、ガラッと変えることもある

林:
天気予報が1分だったとして、晴れとか雨とか予報を話す時間があって。そのほかに話す時間って、30秒か20秒ぐらいなんですかね。

増田:
そうですね。

林:
増田さんが話すことはその場で考えているんですか?

増田:
もちろんその場で喋る部分もあるんですが、画面も用意しなきゃいけなかったりするので、大まかな流れとかは制作スタッフと一緒に決めます。
今はコーナー6つあるので、6つ。
同じ球投げたら打たれるのと一緒で、同じ話ばかりしたらチャンネル変えられちゃいますから。
やっぱりそこはいろんな攻め方というか、球種を変えて。
このコーナーは雨中心にしたら、このコーナーは気温中心にしましょうとか。
画も用意しなきゃいけないのでスタッフと打ち合わせながら構成表に落としこみますね。

林:
毎朝ですよね。本番前ですか?

増田:
前日に、このコーナーこれやりましょうねっていうのは、あるていど仕込んでおきますね。でもやっぱり天気予報なので、せっかく前日準備したのに、予報ガラッと変わっちゃったよってなったら、もうそこからの勝負ですよね。
昨日準備したものはいったん捨てて、ガラッと構成を変えて。

林:
いろんなことありますね

増田:
いろんな球種はあります。

林:
海水温や偏西風、シベリア寒気団とか、そこまで来ることは滅多にないんですか

増田:
そこもやろうと思えばやります。さっきの高気圧がそもそもっていうのと一緒で、なんでこんなことが起こってるの?とか、そういう疑問に応えつつを織り交ぜるのもやったりしますよね。

林:
レアな話題ってあったんですか。

増田:
ゆるい天気の日はわざとゆるいネタをね、仕込んだりすることがあって。
この前の昭和の日、今年が昭和100年だから、じゃあ昭和の最初ってどんなんだったんだろうっていうことで、昭和一桁の年の東京と比べてみました。
やっぱり昭和一桁って気温が低いんですよね、朝も寒いし、日中も全然そんな気温上がらないし。
その時の服装と今を比べたりとかね、そんな創作ネタみたいなのとか。

あとは、今日は過去にこんなことあったんですよねとか、11月11日なら2011年11月11日に横浜に午前11時11分に11.1℃が出たなんてこととか、そんなのを織り交ぜたりとか。

2011年11月11日に横浜に午前11時11分に11.1℃

林:
無限にありますね

増田:
いろんな球種を持ってきて、皆さんに見ていただけるように

いよいよなにもないときは相手に振る

林:
やっぱり気象予報士のキャリアっていうか、腕の差ですかね。

増田:
腕なんて言えないですけど、いま情報だけだったらスマホ見れば分かるから、どれだけプラスして面白いとか、へーって思ってもらえるか。マークと気温の数字だけじゃなくて、その周りを見ていただけると天気って面白いなと思ってもらえるのかな、なんて考えています。

林:
数字とマークだとストーリーがないから記憶に残らないですね。

増田:
ちょっとしたネタを盛り込むとへーって言ってもらえるのかなと思ってます。
それでも何もない時は、もう、かけあい相手に振って、「みなさんどうでしょう」って言ってしゃべってもらう。そういうテクニックもあります。
それはここだけの話というか、ちっちゃい字で書いといてください。

林:
事前に振りますって言うんですか?

増田:
言わないです。アナウンサーさんはなんでもしゃべれますから。
「最近のこの暑さどうですか」って言ったら、結構バーっとしゃべってもらってもう20秒経ったというようなこととかあります。
1人しゃべりで何もなければ、こういう天気のときはこうだったんですとか、もう自分の思い出話をする。あと、昔はこれ予報できなかったんですよ、すごく苦しんでたんですけど、今はね~って思い出話をする。これだけあれば。

増田さんの配球術
気象予報士が苦労する月は過ごしやすい月

林:
5月は何かしら話すことありそうですか

増田:
5月は安定している天気が多いので、こういう球種を駆使しなきゃいけない月ではあるかなと思いますね。あと、11月ね。11月もなかなか、うん、ネタ枯れの季節とか言いますけれども、11月も結構球種を駆使して組み立てていかなきゃいけない。

林:
この記事を読んでいる人からしたら、5月は安定した天気だから安心して良いっていうことでもあるんですね。増田さんが苦労してる分、天気は過ごしやすい。

増田:
そう、過ごしやすいときは気象予報士が苦労してるんだなと

林:
湿度の話し始めたな、と。

増田:
湿度でピーンってまず来てもらって

小林:
イントロクイズみたい

増田:
これだけ球種があれば、1年間だったら砂漠でも天気予報できるかもしれないですね。

西村:
砂漠は難しそう

増田:
いつか挑戦してみてもいいかもしれない

林:
確かに地域によって話すことの多さは変わりますね

増田:
やっぱり大変なのは沖縄かなと思いますけどね。

林:
それはどうして?

増田:
範囲として広いですね。
大東島地方から与那国島までって考えると相当ですね。
結構天気が違うと思います。

林:
西日本ぐらいありますね。注)
ほかに話すことなさそうだなって場所ってないですか。
注)後で調べたら約800km 東京~札幌ほど離れてました

増田:
北海道は安定した時期は確かにね、しゃべること少ないかもしれないですけど。
ただ、北海道は安定しているイコール陸地が広いので、内陸は気温差がすごく大きくなりますし、その辺、話すことがあるのかな。

西村:
意外にある。

増田:
香川とか瀬戸内は雨が少ない。風が弱かったりとか。岡山とか晴れの国を売りにしてるところは結構ね

林:
気象予報士にとっては厳しい

増田:
山梨も気温差が結構あるかもしれませんけれども、山梨も結構……

西村:
長野や山梨も晴れの日が多いって聞きました

増田:
いいところですね

林:
今回はすごく有益な話でした。増田さんの頑張りを感じられる

増田:
いろんな球種を織り交ぜていくのを、感覚で覚えられるようになっていくんですよね。 

4月の最高気温は正解者が3名も

林:
さて、4月のクイズ・東京の最高気温、正解は4月19日 27.8℃でした。ぴったりの人が3人います。

4月の問題
2025年4月の東京の最高気温を予想してください。小数点以下1位までお答えください
🏅daddyさん  27.8℃
勘ですな
🏅Bernieさん  27.8℃
中旬頃の寒の戻りの後に暖かな空気が流れ込み、平年を大きく上回る気温になりそうです。モデルの計算では18日頃に日本の西に850hPa 12℃以上の領域がみえます。地上気温にすると27℃以上となり、上振れも考慮して28℃付近としました。
🏅赤りんご  27.8℃
やっぱり暖かい、暑い日がありそう。
🥈 西村さん  27.5℃    

林:
理由は「勘ですな」から高層天気図まで。

増田:
すごいですね

西村:
そういうデータ使ってんだ。

増田:
モデルの計算ではっていうのは、おそらくネット上の気象データですね。
18日に日本の西で27℃ってことは、そこからひょいっと流れてきて、19日に東京で28℃台。いいですね、すごい。

林:
西村さんも近い。

西村:
何年もやっててこれだけ近づいたの初めてです。

西村:
めったにピッタリってなかなかないのに、3人出るってすごいっすね。

増田:
「勘ですな」でピッタリっていうのがかっこいい。応募した人の中でいちばん短い理由じゃないですか。

林:
そうですね。4文字。

増田:
今回だけじゃなくて今までで1番短い理由かもしれないです。

林:
増田さん「勘ですな」みたいなのに憧れありますか?

増田:
いいな。最後の最後はね、やっぱり感覚です。感覚大事

西村:
気象予報士さんの今までの経験の蓄積の上の勘みたいなのがありますよね。

何年もやっててこれだけ近づいたの初めて

増田:
なるべくたくさんデータを読み込むっていうのが1番で、その上でもっともらしいものを答えとして出すわけですけれども、経験で絞って最後は勘、みたいな感覚を大事にするっていうのはあります。

林:
勘って全ての経験の結果ですもんね

増田:
大前提としてデータを膨大に見るっていうのが1番ですけど

林:
増田さんが天気予報で、「今日は勘で」って言ったらざわつきます

増田:
今日は勘で30℃!

小林:
それ当たってたらかっこいい

林:
勘の気象予報士って話題になる

5月も東京の最高気温を当ててください

5月のクイズ

2025年5月の東京の最高気温を予想してください。小数点以下1位までお答えください(締め切り・2025年5月15日23:59)
回答はこちらから

林:
5月はもう30℃超えますよね、きっと

西村:
でも2週間予報を見ると28℃止まりですね。(ウェザーマップ天気予報 をどうぞ)

データ・過去5年の5月の最高気温(東京)
2024    29.0℃
2023    32.2℃
2022    31.2℃
2021    28.9℃
2020    28.7℃

西村:
でも、意外と30℃いってないですね。

増田:
だって4月の最高が27.8℃でしょ。仮に28℃台だったら、1℃しか上がってないっていうことになりますね。

林:
5月なかばは暑くなるんですよね

増田:
平年並みか高い傾向は続くと思うんですよね。あとはどれだけ晴れが続くか。やっぱ雨が度々あると冷めちゃうので。

林:
雨ですごい気温変わりますね

増田:
今のところ連日雨みたいなのは関東ではなさそうですね。
じゃあ何℃ぐらい行っときます?

林:
いや、きっとそんなに上がらないんですよ。だから29.8℃です。

西村:
やっと30℃ぐらい。

林:
今年は冬からずっとそんなでもないね、って気温だから

増田:
平凡で終わる

林:
平凡な年、いいですね。夏もそれほど暑くならない

増田:
気象予報士がいろんな変化球なげまくる年(笑) 

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
今回のインタビューは増田さんのノウハウを大公開の保存版です。
これを知ったら天気予報の見方が変わります。
ぜひデイリーポータルZを読んでいるみなさまは天気予報に湿度が出るかどうかをチェックしてください。
しかし増田さんは天気予報を1日6回で週5回だから週に30ネタなんですよね。そりゃ配球術も考えます。(林)

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