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非国民通信

ノーモア・コイズミ

もはや平等ではない

2006-12-26 00:17:45 | ニュース

農業研修のはずが、「性暴力」 外国人実習生が損賠提訴

 東日本の企業で技能実習をしていた外国人女性(35)が、実習先の会社の役員から性暴力を受けたとして、25日、この役員と企業、監督機関の国際研修協力機構(JITCO)、受け入れ機関である協同組合を相手取り、総額約3800万円の損害賠償を請求する訴訟を東京地裁に起こした。外国人の研修・実習生が、監督機関を相手取って起こした訴訟は初めて。

 訴状によると女性は、04年、農業研修のため来日したが、役員の息子が経営する会社や自宅で単純労働や家事をさせられた。05年から1年3カ月間、会社が提供する住居で役員から60回以上性暴力を受け、今年7月、耐えかねて逃げ出した。

 ひどい話です。受け入れ企業もJITCOとやらも、研修制度のザル法を悪用して違法な低賃金で人を働かせて利益を上げようという、その魂胆すら嫌らしいのに挙げ句の果てには性暴力とは、恥じるべきですね。

鉄板入り靴で腹をける 愛知・ホームレス殺害事件

 愛知県岡崎市でホームレスの無職花岡美代子さん(69)が殺害された事件で、住所不定、無職木村邦寛容疑者(28)=窃盗容疑で逮捕=と、同市の中学2年の男子生徒3人(いずれも14歳)が、寝ていた花岡さんを襲って小屋から連れだし、暴行後、護岸下の川に投げ落とした疑いの強いことが県警の調べで分かった。県警は、現場での4人の役割分担や暴行の実態の解明を進めている。

 捜査1課と非行集団対策課、岡崎署の調べでは、花岡さんは11月19日午前1時ごろ、乙川にかかる明神橋の下の河川敷で、頭や顔、上半身を鉄パイプで殴られるなどし、肋骨(ろっこつ)が折れたり内臓が破裂したりして、失血死した。

 県警は、少年らが話した内容や現場の状況、花岡さんの傷の様子などから、襲撃状況を捜査。これまでの調べでは、4人は花岡さんが寝ていた小屋に入り、花岡さんに金を出すよう要求したうえ、外に無理に連れ出し、暴行。その際、木村容疑者は、履いていた鉄板入りの靴で花岡さんの腹をけりあげるなどし、少年らは、直前に近くで手に入れた鉄パイプなどで殴打したという。

 こういうニュースを見るつどに思うわけですが、彼らは相手のことを自分達と同じ人間とは考えていないのだろうな、と。私は時々、黒人奴隷と白人農場主を例に持ち出して話をします。それを私は意思決定の権限を持つものと持たないもの、分配を決める権限を持つものと持たないものという意味合いで使ってきました。しかし、もはやそれだけに止まらないのもかもしれません。

 経済システムが人々を上下により分け、立場の強い人間と立場の弱い人間を隔てていく中で、強者と弱者が同じ人間ではなく違う世界の人間であるかのような錯覚を作り出す、強者から弱者への様々な暴力が何ら良心の呵責もなく振るわれてしまう、そんな状況なのかもしれません。

 アメリカ第3代大統領トマス・ジェファーソンは黒人奴隷に5人の子供を産ませたと記録されていますが、それが咎め立てされることはなかったそうです。冒頭の企業役員と外国人女性の関係もそんなものなのでしょう。ジェファーソン大統領と当時のアメリカ白人の多数派からしてみれば、所有物に過ぎない黒人奴隷に何をしようと別に非難されるようなことではない、そんな感覚だったのでしょうか。

JITCOは「訴状を入手していないので、何とも言えない」と話している。

 訴えられたときの常套句ではありますが、彼らに恥じる意識があるのか、悪いことをしたとの自覚があるのか、そこに疑問を感じます。そしてホームレスへの襲撃を繰り返していた少年たち、彼らにとってそれは人間と人間の関係ではなく、権利者である白人と権利を奪われた黒人の関係、狩猟者と獲物の関係だったのかもしれません。黒人を処分して何が悪い? 獲物を狩って何が悪い? 裁判では反省の意を示すのでしょうが、自分達の犯した罪は何だったのか、それを理解できるかどうか。そして今回の事件は氷山の一角に過ぎません。自分よりも立場の弱い相手を、自分と同じ人間とみなさない、そんな人がいる限り同様の事件は続きそうです。格差社会と言われて久しい昨今ですが、格差は経済的なものに止まらず、人間の尊厳にまで及ぶのでしょうか?

 

 ←何か感じていただけましたら是非


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