「お好みソース」で広く知られるオタフクソース(広島市)は、AI(人工知能)を活用してソースづくりの業務効率化を進めている。10年間にわたり同社が蓄積してきた1万5000件以上のレシピから、AIを使って特定の味に近いレシピを探し当てるシステムを開発した。これまで最大2時間かかっていたところを5分に短縮したという 光を照射して味の特徴を捉える 同社はお好みソースを始め、焼きそばソースやとんかつソースなど年間約110商品を開発している。その開発する商品のうち3割程度が、特定の商品や店舗の味に近づけてほしいと要望される「ベンチマーク」商品だ。試作品を繰り返しつくることで、ベースとなる近い味を再現。さらに改良を加えて、商品の独自性と付加価値を高める。 ただ製品開発は、社員の経験やスキルによって所要時間が大きく異なる。目標の味を再現するために過去のレシピを参照するが、「ベテランと若手が選ぶレシピはかな
NECは3月28日、AIを活用して開発したビール「人生醸造craft」の第2弾を発表した。クラフトビール「COEDO」で知られる、協同商事(埼玉県川越市)ビール部門のコエドブルワリーが協力。NECのAIとコエドブルワリーのビール職人が協働し、ビールを開発したという。 人生醸造craftの第1弾は2020年。NEC新入社員の「上司や先輩とどうコミュニケーションを取ればいいか分からない」という悩みをきっかけに、NECの技術を使って開発したビールを通じ、世代間コミュニケーションを促進するという企画が発足したという。 その際はNECが「単語埋め込み」(コンピュータが処理しやすい形式に単語を変換する手法)などを活用したAIを開発。雑誌のデータから、20~50代の各世代に適した色や味、香りを抽出し、コエドブルワリー協力のもと、それらを反映した4種類のビールを作った。その後生成AIの普及が進むなか、協同
Image credit: Storyline 独自のカフェイン除去技術を開発するストーリーラインは24日、日本政策金融公庫仙台支店と仙台銀行本店営業部から協調融資を受けたと発表した。調達額は不明。調達した資金は、令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)採択に伴う研究開発の加速と体制強化、量産化試験フェーズへの移行、新規事業「CHOOZE COFFEE for BIZ」の体制強化に活用する。 同社は東北大学との共同研究により、超臨界 CO₂流体技術を用いた独自のカフェイン除去技術「ZEN Craft Decaf Process」を開発。この技術は水と二酸化炭素のみを使用し、従来技術の課題であった有効成分の損失を抑えることで、環境負荷の低減と高品質なデカフェコーヒーの実現を可能にした。 12月12日には、国内初となる「カフェインコントロール」できるコーヒーの定期便サー
伊藤園は2024年12月6日、海外グループ会社の米ITO EN (North America)がランサムウエア攻撃による不正アクセスの被害を受けたと発表した。情報流出などの被害について、同月9日午前9時時点では明らかになっていない。同社の広報担当者は「被害状況を調査中」だという。 被害を受けたのは、基幹システムとは独立したファイルサーバー。現地時間の同月2日午前にファイルサーバーがランサムウエアによって暗号化されていることを確認。ファイルサーバーをネットワークから切り離し、攻撃前のバックアップデータからシステムの復旧を進めている。 複数のスレットインテリジェンスグループがSNSで、「特定のハッカー集団が今回のランサムウエア攻撃について、リークサイトに掲載した」と指摘している。この点について同社広報担当者は「ハッカー集団の関与について調査中だが、具体的な回答は控える」とした。
巨大なタッチ式の液晶パネルにずらりと飲料パッケージが並ぶ面構えで真っ黒な機体が異彩を放ち、しかもサブスク登録すれば毎日好みのドリンクが飲めたり、ポイントを購入金額に充当できたりする──。ハイテク自販機として話題を呼んだ、JR東日本の各駅構内に置かれた自動販売機「イノベーション自販機」が、ひっそりと姿を消しつつあることをご存じだろうか。いったい何が起こったのか。 JR東日本の各駅構内に置かれた「イノベーション自販機」。年齢や居住地、Suicaなどの交通系電子マネーのIDを登録すると、電子マネーで商品を事前購入できた(写真提供/JR東日本クロスステーション) 駅ナカの自販機ビジネスを管轄するJR東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニーは2023年10月、イノベーション自販機を順次撤去すると発表した。自販機本体と連動する専用スマートフォンアプリ「アキュアパス」(約33万ダウンロード
尾崎さんは、開発の経緯をこう語ってくれました。「元々は、Gateboxさんの『AIバイト』のタブレット版を開発する予定だったんです。でも、これなんか面白くないねえと話しているときに、武地さんの『商品紹介ではなく、AIと一緒にお酒を飲むようなものにしたい』という一言で、プロジェクトの方向性が大きく変わりました」。 AI幹事が可能になった背景には、技術的なことを含め、いくつかの要因がありました。整理すると、以下のようなことです。 画像認識:GPT-4oの登場でマルチモーダル技術が使えるようになり、リアルタイムでテーブルの状況を把握することが可能になっていた 会話の生成:AIが認識したものをベースとして、自然な対話が可能になった コロナ禍の影響:パンデミックを経て、飲食店のDXが急速に進み、テーブルの上にタブレットがあることへの抵抗感が減った 尾崎さんは「AIがあたかも自発的にアドバイスをすると
ネット企業出身CIOがデジタル部隊をリード 事実、この数年間で日清食品HDが手掛けた数々のデジタル施策は目を見張るものがある。生成AI(人工知能)をいち早く導入し、既に3万時間超の業務を効率化する成果を上げた。ローコード/ノーコード開発ツールを駆使し2年間で350超のシステムを内製。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)なども活用し、約800の業務を対象に年間17万時間の業務工数の削減も達成した。約40年間稼働したメインフレームの撤廃も完了済みだ。 同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)をリードするのが、成田敏博執行役員CIO(最高情報責任者)である。成田CIOはDeNAやメルカリといったネット企業でIT部門のマネジメント職を歴任した後に、その手腕を買われて2019年に日清食品HDへ招かれた。2021年からCIOとしてデジタル部隊の陣頭指揮を執る。
友人とのホームパーティや家族のお祝いごと、普段の晩酌などのシーンで「本格的なカクテルが楽しみたい」という人にぴったりのマシンが、クラウドファンディングサイトのIndiegogoに登場した。フランスのDrinxlab社が提供するカクテルマシン「Drinxlab」だ。 同社の創設者であるRobin氏は、バーテンダーとソフトウェア エンジニアの経歴を持つ人物。Robin氏が自身のスキルを組み合わせて構築したDrinxlabは、アプリを通じてあらゆるカクテルを自分の好みにカスタマイズできるという家庭向けのテックアイテムだ。 アプリで簡単に“特製カクテル”を作れるDrinxlabは、カクテル作成プロセスをガイドするシンプルで直感的なインターフェイスと、正確な測定テクノロジーにより、自分だけの“特製カクテル”を簡単に作れるマシン。 アプリ上で材料、フレーバー、比率を調整するだけで、初心者でもわずか数十
「デジタル事業群戦略」を掲げる伊藤忠商事が提供するDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービスを象徴するのが、食品や飲料品メーカーの商品開発を支援する「FOODATA(フーデータ)」(2021年7月提供開始)と、個人の味の嗜好に基づいて商品をリコメンドする「食のパーソナライズド・レコメンデーション機能」(23年11月提供開始)である。複数のパートナー企業と連係しながら、感性データの中の味覚データを収集・分析して商品開発やリコメンドに生かすサービスだ。伊藤忠の狙いと具体的なサービスの内容を追った。 伊藤忠商事が「感性データ」、なかでも味覚に着目したのは2019年にまで遡る。情報・金融カンパニーの経営企画部内にあった新規事業開発室で、「リテールテックの1.5歩先プロジェクト」と題して次代のビジネスの種を検討していた際、候補の一つとして「味覚販促ソリューション」というものがあった。 20
2014年設立のスタートアップながら、新価値創造プロジェクトの実績は150社以上というNEW STANDARD(東京・世田谷)。それを可能にしたのがノウハウのメソッド化と、ミレニアル世代やZ世代に関するデータベースだった。 日経デザインの特集「次世代を担うクリエイティブチーム」第3回で紹介するチームは「NEW STANDARD」。2014年創業で、ブランドコンサルティングファーム、マーケティング&クリエイティブエージェンシー、シンクタンクという3つの事業を展開。創業10年目のスタートアップながら、アサヒビールやTOPPAN、アシックス・ジャパン、オルビス、ヤマハ発動機など、名だたる大手企業150社以上の新価値創造のプロジェクトの実績を持つ。 NEW STANDARDは元々、スマートフォンを軸にした、世界中から集めた新しい気づきや価値観と出合えるミレニアル世代及びZ世代向けライフスタイルメデ
「日本初のAI(人工知能)タレントCM」として話題になった伊藤園「お~いお茶 カテキン緑茶」のCM。前編では、AIタレントを生み出す過程やバズった契機などを紹介した。後編では、AIタレントを生み出す苦労や難しさ、CM制作にAIを使うメリットや可能性などを関係者に聞く。 2011年に、人間そっくりのバーチャルアイドル「江口愛実」が誕生。江崎グリコ「アイスの実」のCMでAKB48と共演して話題になった。当時は、そのCG技術の高さに驚きの声が上がるとともに、人間に近づけば近づくほど嫌悪感を抱く「不気味の谷現象」も取り沙汰された。 それから12年の間に“谷”を越えるほど進化したのが、AI技術だ。23年は、大日本除虫菊(金鳥、大阪市)が画像生成AIを活用して「キンチョール」のCMを制作。パルコ(東京・渋谷)はナレーションや音楽にもAIを使い、話題をさらった。そんな「AICM元年」に、「日本初のAIタ
近未来に生きる白髪交じりの女性が、軽やかな足取りでカメラに近づき、ペットボトルのお茶を差し出す。受け取ったのは、若さあふれる現在の彼女。お茶を飲んで笑顔になった彼女に、「未来の自分を、今から始める」というナレーションが重なる…。「日本初!AIタレントをCMに起用」として話題になった、伊藤園の「お~いお茶 カテキン緑茶」のCMだ。このCMはどのようにして生まれたのか。 「もともと当社には特定保健用食品の『カテキン緑茶』という商品がありました。それを『お~いお茶』ブランドの1つとしてポジショニングしたほうが分かりやすいだろうと、2022年9月26日に、『お~いお茶 カテキン緑茶』として新発売。23年9月4日に、茶葉の生命力を最大限に引き出すために、生成AIを活用した革新的なパッケージデザインでリニューアル発売しました」(伊藤園広告宣伝部の上條裕介氏) CMのメインターゲットに据えたのは、30~
明治大学 総合数理学部 宮下芳明研究室(以下、宮下芳明研究室)、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、H2L株式会社は、宮下芳明研究室とH2Lが研究開発した味覚を再現する技術と、ドコモが開発した「人間拡張基盤」を連携し、相手の感じ方に合わせた味覚を共有する技術を開発した。 今回開発された技術は、味覚に関するデータを把握する機器(センシングデバイス)と、味覚の感度に対する個人差を推定し共有する「人間拡張基盤」、味覚を再現する駆動機器(アクチュエーションデバイス)の3つで構成されている。 具体的には、伝えたい味をセンシングデバイスで分析・数値化したものと、共有する相手の味覚の感じ方を、約25項目のデータをもとに人間拡張基盤上で独自アルゴリズムを用いて推定し、それらをアクチュエーションデバイスを通じて、相手に伝えたい味を再現する。 アクチュエーションンデバイスは、味の基本となる五味(甘味、酸味、
知財ニュース 明治大、“熟成”や“新鮮”などの食味の時間軸を変える手法を発表─ひと晩寝かせたカレーや野菜の鮮度再現が即可能に 明治大学の宮下芳明教授は2023年11月24日、飲食物の味の時間軸を変える研究の検証結果をまとめた論文を公開した。また、11月29日から12月1日に行われた「第31回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2023)」で、同論文を発表した。 論文は、カレースープやトマトなどを用いて、時間を置くことによる熟成(順行)と、時間経過で風味が落ちたものの鮮度再現(逆行)ができるかという検証をまとめたもの。測定は味覚センサーと実食で行い、調味には、宮下教授らが開発した高精度な味の調整ができる家電「TTTV3」を使用した。 検証では、作りたてのカレーや未熟なトマトを、数日寝かせた味わいに変えられることを確認。また熟成したものを数日前の味に戻すことも
― 作業員の負荷軽減、より付加価値の高い業務へのシフト、商品・サービスのさらなる品質向上を図る ― ― 2025年の工場での稼働を目指す ― サントリーホールディングス(株)は、開梱、計量、品質確認、タンクへの投入など、工場における原料の取り扱い業務の自動化を目指し、12月より技術検証を本格的に開始します。11月に構築したサントリー九州熊本工場内の技術検証設備にて、より生産現場に近い環境で検証を進めることで、技術開発を加速させます。 サントリーグループの生産現場ではさまざまな原料を取り扱いますが、梱包形態や大きさの違いから自動化が難しく、人手に頼らざるを得ない状況でした。また重い荷物の取り扱いも含むため、作業員の負担となっていました。 今回、共同で自動化技術の開発に臨んできた(株)安川電機とともに、AIを用いて単一の装置でさまざまな大きさや梱包形態の原料を取り扱う技術の検証を開始します。
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