債務危機に直面しているギリシャの債権者の8割近くが現在、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)など公的部門です。危機が表面化する前、ギリシャにお金を貸していた民間銀行は既に大半が債権者から外れています。ギリシャに押し付けている緊縮政策は国民を犠牲にしてドイツ、フランスなどの大銀行を救済するものだと、批判が上がっています。 少ない民間保有 ギリシャ公的債務庁によると、同国が抱える公的債務は3月末時点で3127億ユーロ。うち最も多いのがEUの融資1309億ユーロで、42%を占めます。次いでユーロ圏各国政府の融資17%、IMF融資7%、欧州中央銀行(ECB)に対する債務6%など。公的部門が76%を占めます。民間が保有するギリシャ国債は394億ユーロで、13%しかありません。 09年秋、ギリシャ政府による財政粉飾を機に、同国が債務危機に陥ったころ、ギリシャ国債の8割を独仏英の民間銀行など海外投資