気どるな、力強くめしをくえ!「大衆食堂の詩人」といわれた、後期高齢ステージ4癌男、エンテツこと遠藤哲夫のブログ。 高知の堀内さんから、高知新聞に載った共同通信配信の書評のスクラップが届いた。評者は南陀楼綾繁さんで、この配信があったことはツイッターで知っていたが、どの地方紙に掲載になっているかも、どんな内容かも把握のしようがなかった。 「新書だより」のコーナーに「ありふれた食をおいしく」のタイトルで、小泉武夫さんの新著『缶詰に愛をこめて』(朝日新書)と共に『大衆めし 激動の戦後史』が取り上げられている。8割ぐらいは、拙著のことだが、ありふれたクックレス食品ということで、共通するところがある。 南陀楼さんは、名前がアヤシゲだが、かれの書評は、とくに本好きの方たちのあいだで定評がある。それは、おれは、どちらかというと、ライターとしての「南陀楼綾繁」より、編集者として仕事をするときに使用する本名の
→紀伊國屋書店で購入 「近代日本の食事の歴史」 ぼくは紀伊国屋書店で刊行している『スクリプタ』のファストフードの歴史についての連載を毎号楽しみに読んでいる。同時代的に経験している出来事も、遅れたものものもあるが(マクドナルドはすっかり定着してから食べたのだった)、昭和の歴史のひとこまとして記憶に値する出来事だと思う。 本書は、ファストフードの歴史よりも、日本人の日常の食生活がどのように変動してきたかを考察する興味深い歴史的な考察を含む書物である。「料理は芸術か」とか、「国家の学としての栄養学」などの思想的・哲学的な考察も興味深いが、何よりも一般の庶民の食事の習慣の歴史は、楽しい読み物だった。 たとえば今では郷土料理というと、地方の名産をメインにした料理のように考えられている。秋田のショッツル鍋、山梨のほうとう鍋のようにである。しかし著者によると、江戸時代には京都、大坂、江戸の三都の「都」の
地球温暖化やBRICs国民の消費によって、食糧危機や水資源の危機が深刻に語られるなか、「「食糧危機」をあおってはいけない (川島博之)」(参照)は標題からもわかるように、この問題をシステム工学の視点から冷静に捉えようとした書籍だ。 標題を見てすぐわかるように、同じく文藝春秋から2003年に出されたロンボルグの「環境危機をあおってはいけない」(参照)をまねている。こちらの書籍は、日本では著者のロンボルグより訳者でもあり評論家であもる山形浩生のほうが著名かもしれない。そのせいか、この「「食糧危機」をあおってはいけない」の帯もこうなっている。 山形浩生 推薦” (『環境危機をあおってはいけない』の訳者) 「それはウソだ!」 「もうこの手の扇動にまどわされないようにしようじゃないか。」 とある。裏表紙にはこうもある。 「目からウロコの真の啓蒙書」 ぼくはすでに四〇年以上生きてきて、これが何度も繰り
鯨をめぐってなんだかオーストラリアに宣戦布告でもしそうな勢いで愛国人士の方々が噴き上がっているようですが。 しかしさっぱりわからないのが、日本の政府が多額の税金を使い国際的なロビー活動までして捕鯨を継続することに執着する理由だ。 「捕鯨・鯨食は守るべき日本の文化」って言われても。沿岸に回遊する鯨を漁民がそれぞれの地域で捕まえて水揚げするのならわからないでもないけど、巨大な捕鯨船で南氷洋まで出かけての企業活動たる捕鯨は「伝統的な文化」とはとても言えんでしょう。 そもそも捕鯨・鯨食存置派の皆様方にしてからどんだけ鯨食ってんだって言いたい気もするが、実はこの数日の間に鯨どころではない我が国の「伝統食品」がある意味存亡の危機にさらされていたことを知る人は少ないだろう。(私だって知らないでいた。) それは何かというと、「豆腐」。 この国では古来より豆腐を作るのに凝固剤として海水から出来る「にがり」を
ワンマン社長の夢は…肉のハナマサ“社員残酷物語” 新経営陣のもとで再生を図るハナマサだが、ツケは大きく、前途は多難だ=東京都中央区 業務用スーパー「肉のハナマサ」を大量閉店させたハナマサは7日までに、新設の子会社に事業譲渡し、小野博社長(71)が経営の一線から退いた。焼き肉バイキング店から業務用スーパーへの業態転換を成功させながら、ここ数年の急激な出店が経営を圧迫していた。背景には小野社長の「1兆円企業」という大きすぎる夢と老いへの焦りがあったと社内で指摘されていた。 全日食チェーンを展開する「全日本食品」の支援を受けることになったハナマサは、100%子会社の「花正」に事業譲渡し、今後は全日本食品が推薦した新社長のもとで経営再建を進める。ハナマサは102店あるスーパーのうち47店を2月12日に閉店していた。 小野元社長の大いなる野望が、ハナマサ崩壊につながったとの見方が強い。ある社員は「大
ミスタードーナツを展開するダスキンと、モスバーガーを展開するモスフードサービスは20日、資本・業務提携を結んだと発表した。出店や商品開発を共同で進め、株式も相互に持ち合う。「食の安全・安心」に対する関心が高まっていることも踏まえ、品質管理ノウハウの共有化も図る。 記者会見したモスの桜田厚社長は「モスは主食、ミスタードーナツは軽食が中心だ。掛け算のように、顧客にとってプラスになることができる」と提携の狙いを説明。原材料の価格高騰などで外食産業の経営環境が厳しさを増す中で、両社は提携によって効率を高め、事業拡大を目指す。 ミスタードーナツは1294、モスは1425の国内店を展開しているが、今後は両社の店舗を隣接させて出店する取り組みや、カフェなどの新業態にも進出。独自商品の共同開発も進める。食材の調達や店舗への配送なども共同で取り組み、コストを削減する。東南アジアなどの海外展開でも連携する。
この間から大騒ぎになっている中国産ギョウザの事件について、興味深いまとめ記事を発見しました。 混入濃度キター! - *graph 食品分析をしている方だそうで、毒性についても考察されていてたいへん面白いまとめ。私自身、分析のお仕事をしているので、正直《その他感じたこと》の方が相当ツボにはまりましたw あー、なんか分かるなぁという。 分析屋の憂鬱 分析屋というか、正確には品質管理という職種の話なのだけど、異物混入や健康被害が報道されるたびに、恐々としています。ああまたか……みたいな。私は食品業界ではないけども、明日は我が身という怖さはあります。 予測の外側の事故 一般的に、市場に流通させる製品の検査は、原料の使用前の検査と、出荷前の検査があります。1 検査項目の設定には、国の基準や社内の手順など、現時点の知見で妥当とされる基準がいろいろあり、それらに基づいて検査項目を決めます。 工場で、原料
出勤いたしましたら職場は思った以上にフィーバーしておりました… 通常我々現場の分析技術屋は直接問い合わせに出ることはあまりないので、「まー問い合わせは当然結構きてるだろうな」程度の感覚だったのですが、目の前にモノが押し寄せてくるとやっぱり実感として違うものが。 上の方からも「サンプルの容器包装に破損はないか、異臭はしないか、付着物はないか確認すること」とか通達がきたりする割に、通達のどこにも「皆さんも十分気をつけて下さい」の一言もないところに、やっぱわしら鉄砲玉じゃけんの、とやさぐれてみたりする朝。 でまあ、とりあえずホンモノはこんな匂い、ということで何人か集まってメタミドホスの標準品を回し嗅ぎ。 (専門家の指導のもとで行っていますので、良い子も悪い子も普通の子も絶対に真似しないでね) テレビではニラの腐ったような匂いと表現していましたが、個人的にはおばあちゃんちみたいな匂いでした<わから
中国製冷凍ギョーザの中毒事件*1、またチャイナフリーやらなにやら言う声もあるけど、通常懸念されている残留農薬で問題になるのは慢性毒性であって、今回みたいに急性毒性が問題になるほどの濃度で「残留」というのは今時考えられないわけで、製造工程で「混入」した*2ということなのだろう。 かといって食品の製造工程に農薬を入れる理由はちょっと考えられないので、こないだのペットフードの事件とか、あるいは昔日本であった森永ヒ素ミルク中毒事件みたいにコストダウンのために敢えて危険なものを入れたという話でもなさそうだ。事故かもしくは犯罪ということだろう。 中国では農民が調味料と間違えて口にした中毒事故もあるそうだが*3、食品工場でそういうミスがあったらもっと大規模な事故になりそうだし、検査で発覚するんじゃないかと思う。正直犯罪の予感がするし、そう思う方が一回きりの特殊な事件ということで食品の製造・流通のシステム
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