円高から円安局面への歴史的転換か? 筆者: 所長 早﨑 保浩 研究員 髙田 遼太 財津 大海 #所長の眼 #HL Vol.37 #所長室から #早﨑保浩 #経済・社会課題研究室 #財津大海 #髙田遼太 2022年08月10日 輸出主導で戦後の高度成長を遂げた日本経済―その主役を担った製造業にとって、為替相場の変動は経営を左右する大きなファクターであり続けた。 ロシアによるウクライナ侵攻以降、為替相場で円安が急速に進んだ。直接の原因は、インフレに対応するため利上げを行う欧米と、金融緩和を継続する日本の間の金融政策スタンスの違いにあるが、折からの国際的なエネルギー・食料価格上昇と相まって、国民の間で円安に対する不満が広がった。 歴史を振り返ると、後述する1971年8月の「ニクソンショック」以降、円高への対応が日本にとって大きな課題となってきた。円安への本格的な批判は、初めてのことかもしれない。