東京都と法政大による、起業家教育を推進する総額約3億8千万円の共同事業が、2025年度からの本格実施を前に突如中止となった。「事業に関わる研究者が資金を不正使用している可能性がある」として、大学が中止を申し入れたと都や大学側は説明する。だが当の研究チームは不正を否定し「むしろ都の担当者と約3カ月間連絡がつかずに放置され、中止に追い込まれた」と異論を唱える。双方の主張は食い違っており、真実はどこにあるのか。共同通信は研究チームと東京都職員とのメールのやりとりを独自入手。関係者への取材も交えつつ、事業が頓挫するまでの経緯を検証した。(共同通信=武田惇志) 【写真】退学希望者が続出「幻滅大学」の酷すぎる実態 コロナで浮き彫りになった格差 20年 ▽未来を切り拓く起業家教育 問題となった事業は「東京の未来を拓(ひら)く起業家教育循環システム」。2024年度から3年をかけて、小中高校生が起業家教育を