戸籍 2.0()に見る私たちの民度日本には古くから戸籍というものがある。現代において、戸籍とはそもそも何のためにあるのだろうか。類似のものとしては、いわゆる住民票(住民基本台帳)というものがある。つい最近まで、両者はまったく用途の異なるものだった。住民票というのはもともと、国籍を問わず、日本国のあらゆる生活者の個人情報を管理するためにあった。それに対して、現代の戸籍は、だれが日本人(日本国籍の保持者)であるかを定めること、ひいてはその第一要件(国籍法第二条)である血縁関係をたどることを目的としている。というのも、日本は出生による国籍取得に関して血縁に基づいて国籍を認める「血統主義」という立場を貫いている。そうである以上、国は全国民の婚姻関係や親族関係を網羅しなければならない。その手立てとされてきたのが戸籍である。 現在、戸籍のあり方をめぐって取り返しのつかないことが行なわれつつある。コロナ