モデルベース開発の背景と従来型開発との違い モデルベース開発が必要とされる「組込みシステム開発」の世界と、従来の開発手法の課題から、モデルベース開発について解説しましょう。 組込みシステム市場の巨大化 組込みシステムはいつも目にしている家庭用電化製品から、通信・安全制御・医療・ロボット・自動車・産業機器に至るまで、実に幅広く利用されています。今や自動車は電子部品が多用され、CPUの数は50~100個程度が搭載されており、組込みシステムの塊といえます。組込みシステムは、電子機器製品の根幹を支える技術なのです。 これら製品における組込みシステムの開発規模が増加し、その分、開発コストも増大しています。 反面、新製品を素早く市場に投入するために、開発ライフサイクルはどんどん短くなっています。もちろん品質を低下させることはできません。 組込みシステムの開発プロセスの特徴は、ハードウェアとの依存関係が
従来から、「ARMはx86より(電力的に)効率的だ」という言説があります。これは単純に「ARMは省電力なスマホ向けで、x86は電力を食うPC向け」程度のアバウトなイメージのこともありますし、前世紀のRISC vs CISC論争のころからある「ARMはx86 (x64を含む)に比べ命令セットがシンプルなので、命令デコードにかかる電力が少なくて済んで効率的」という議論の形をとることもあります。 この議論については、半導体エンジニアの多くは「ARMがx86 より効率が良いというのは、もはや過去の神話」(in today’s age it is a very dead argument)という認識を共有していると言っていいでしょう。有名なところではApple CPU (ARM)とZen (x86)の両方を開発したジム・ケラー氏のインタビューでも言われていますし、Chips and Cheeseとい
シミュレーション技術を駆使し、クルマを効率的に開発するモデルベース開発(MBD)。その普及、促進を目指すMBD推進センター(JAMBE)が2021年7月、国内の自動車メーカー、部品メーカー10社によって発足した。ステアリングコミッティ委員長を務めるマツダの人見光夫氏は、「MBDによって、バラバラだった日本の中小企業群を1つにまとめる」と意気込む。 「かつてマツダは財務的に厳しく、人員も少なかったため、実機を試作して開発する余裕がなかった。このため、モノを造る前にデジタル上でしっかり検証するMBDを使わざるを得なかった」。マツダで「SKYACTIV(スカイアクティブ)」エンジン群の開発を指揮した同氏は、逆境の中で目を付けたMBDを徹底的に磨き、プロジェクトを成功につなげた。同氏はそのノウハウをMBD推進センターを通じて日本全体に広げることに挑む(図1)注1)。 21年7月に設立したMBD推進
経済産業省は2017年3月31日、自動車のモデルべース開発(MBD)のためのシミュレーションモデル(プラントモデル)の企業間共有を促進する目的で、ガイドラインとモデルを公開した。OEMと部品メーカー間、部品メーカー同士でシミュレーションモデルをやり取りすることで、設計段階での性能評価が容易になり、実部品を用いる必要がなくなる。
「四角」と「線」を使って物事をシンプルに表現し、それを基に思考する。それだけで、あなたのSE人生を変えるくらいのインパクトをもたらす──。 「それって本当?」という声が聞こえてきそうです。しかし、筆者はこの考え方を多くの人に教えたり、自ら実践したりしてきました。その結果、例えば以下のような効果が得られました。 物事を深く理解できるようになる 大勢の前でのプレゼンを成功させる 良い文章を書けるようになる 新たな発想が生まれる いずれもSEに限らず、ビジネスパーソンにとって必須のスキルといえます。特に強く求められているのは「新たな発想が生まれる」という効果でしょう。 ビジネスの世界で「イノベーション(革新)」が重要なキーワードとして浮上している今、これまでにない新たな製品やサービスを生み出すイノベーション人材すなわちイノベーターを企業は求めています。しかし、よほどの天才でない限り、普通のSEが
TargetLinkは、MathWorks ® Simulink ® /Stateflow ® から直接電子制御ユニット(ECU)やドメインコントローラ向けの極めて効率的なCコードを生成するソフトウェアであり、組込み量産ソフトウェアおよびシステムのモデルベース開発に不可欠なツールです。 シンプルなANSI Cコードから、AUTOSARプラットフォームの固定小数点演算または浮動小数点演算向けに最適化されたコードまで、TargetLinkでは広範なCコード生成オプションを用意しています。TargetLinkでは、Adaptive AUTOSARをサポートすることにより、C++コードの生成をサポートしています。また、TargetLinkには、ソフトウェア設計機能以外にビルトインのコード最適化、シミュレーション、およびテスト機能が搭載されているため、生成された結果をすばやく検証し、最適化することが
マツダは、ハンドル操作に応じてエンジンを細かく自動制御し、カーブを滑らかに曲がれるようにする世界初の技術を開発し、試作車を報道陣に公開した。車の操縦性が向上し、ハンドルのふらつきも半減して、運転による疲れを抑える効果があるという。市販車に順次搭載する予定で、まずは今夏に改良する主力小型車「アクセラ」に載せるとみられる。 自動車は、サスペンションなどがタイヤを地面に押しつけることで、エンジンの力を地面に伝え、曲がるときにも滑らないようにしている。マツダは、一時的に車の重心を前輪に移して、地面へのタイヤの押しつけを強めれば、より滑らかにカーブを曲がれると考えた。 ハンドル操作から車がカーブにさしかかったと車載コンピューターが認識すると、電子制御でエンジンの出力を瞬間的に弱め、車がわずかにつんのめるような形にして前方への重心移動を起こす仕組み。逆にカーブの終わりでは、出力を強めて後輪側に重心を移
スイッチやルーターの設定ミスで想定外のインターネットアクセス経路が存在していた──こうした経験はないだろうか。米レッドシールの可視化ツールは「ネットワークデバイスの脆弱性」とも言える不正アクセス経路を見える化するツールだ。同ツールを扱うテリロジーの担当役員が解説する。(日経コミュニケーション) サイバーセキュリティ攻撃の被害は相変わらず続いているようである。企業や行政機関ではファイアウォールやIPS(侵入防止装置)、アンチウイルスソフトといった多種多様なセキュリティツールの配備を進め、CSIRT(Computer Incident Response Team)を組織して対策を強化している。それでもDDoS(Distributed Denial of Service)攻撃によるシステム障害や、標的型攻撃による情報流出は収まりを見せない。 悪意ある不正侵入者達は攻撃の手口をさらに進化させ、ます
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