AIJ投資顧問(東京都中央区)が巨額の年金資産を詐取したとされる事件で、同社が「自転車操業」に陥った2009年4月以降、更新と新規を含め全国92の年金基金などと契約を結んでいたことが、警視庁の調べでわかった。AIJ側によると、この時期に集めた額は約600億円にのぼるという。 捜査関係者によると、詐欺容疑で逮捕された同社社長浅川和彦容疑者(60)は逮捕前の任意段階の事情聴取で、「運用に回さず解約金に使うため、新たな契約で資金を集めた」などと述べ、詐欺容疑を大筋で認めていたという。 捜査2課によると、AIJは04年3月、運用するファンドが赤字に転落した。しかし、関係者によると、同じ頃、浅川容疑者は虚偽の運用実績に基づく「純資産額」を記した資料を自ら作成。これをもとに投資信託の価格を算出し、傘下のアイティーエム証券に販売させるようになったという。 解約を求める顧客にも、水増しした純資産額を