債務者の骨の髄までしゃぶり尽くそうと、闇金業者は法の網の目を掻い潜り、あの手この手で荒稼ぎを目論む。 昨年4月の民法改正で債権買い取りの規制が緩和され、市場規模が拡大したのが「ファクタリング」だった。例えば、医療業界で行われるファクタリングは、病院が看護師の人件費捻出などを目的に2~20%の手数料を業者に支払ったうえで、「診療報酬債権」を売却。一方、業者は2カ月後に社保などから給付される診療報酬で回収を図る。また、建設業界の場合、建設会社が発注元から請負代金が納められるまでの間、人件費や資材購入費の不足を補おうと、「請負債権」を業者に売却し、資金繰りに充てるのである。 正当なファクタリングに便乗する格好で、「給与ファクタリング」と称する闇金も雨後の筍のように発生した。その手口は労働者の「賃金債権」を買い取り、給料日に回収するというもの。しかし、給与ファクタリングは違法な高利貸しと何ら変わら