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文学に関するhharunagaのブックマーク (1,198)

  • アメリカ湾ではない!『老人と海』 今福龍太 メキシコ湾に宿る自然力 - 日本経済新聞

    今年の1月20日、北米に再登場した奇矯な大統領が就任初日に「メキシコ湾をアメリカ湾に改名する」と一方的に宣言し、その旨を記した大統領令に署名した。臆面もなく「アメリカ第一主義」を主張し、それによって大衆の支持を得て最高権力をわが物とした者の、排外主義の象徴となってきた「メキシコ」。それを、人間だけでなく地名からも排除しようとする、あからさまな意図をもった命令であった。この差別的な言葉狩りが、メ

    アメリカ湾ではない!『老人と海』 今福龍太 メキシコ湾に宿る自然力 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/08/02
    “その冒頭がこう始まっている…。「漁師は老いていた。一人で小舟を操って、メキシコ湾流で漁をしていたが、すでに八十四日間、一匹もとれない日がつづいていた……」(高見浩訳、新潮文庫)”
  • 美しい夏/パヴェーゼ, 河島 英昭|岩波文庫 - 岩波書店

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    美しい夏/パヴェーゼ, 河島 英昭|岩波文庫 - 岩波書店
    hharunaga
    hharunaga 2025/07/28
    チェーザレ・パヴェーゼのこの小説は訳者解説によると「女言葉」で書かれているという。イタリア語には日本語の「~だわ」「~よ」などの言い方はないが、単語の選び方(「素敵」みたいな)や独特の心理描写を指して
  • 書評『君たちの記念碑はどこにある?』中村達著 - 日本経済新聞

    西洋は日の発展のお手だった。さて、それは当に仰ぎ見るに値する存在なのだろうか。西洋の非西洋に対する原罪は、アメリカ世界の先住民の虐殺と大西洋奴隷貿易だろう。黒人奴隷は船の「積荷」として運ばれ、反抗する者は大海に突き落とされた。アメリカ世界、中米カリブ海の島々では、過酷なプランテーション労働が待っていた。西洋の進歩的な哲学者が自らの言葉を裏切ってきたことを、著者は断罪する。人間の条件を考

    書評『君たちの記念碑はどこにある?』中村達著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/07/27
    「日本は、沖縄を含む大小の島々で構成される群島の国である。カリブ海の島々と日本では歴史的な文脈が異なるが、漂泊と混交によるカリブ海の社会の成り立ちには、まったくの他者とは思えない…」。評:峯陽一。
  • <書評>『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』與那覇潤 著:東京新聞デジタル

    江藤淳は「無条件降伏」について、多秋五との間で論争した。加藤典洋は日人の戦死者への追悼を先立たせるべきだとし、高橋哲哉らと論戦した。無条件降伏をしたのは日軍であって日国ではない。アジアの死者よりも日の死者を悼むことを先立せたとしても、日人の心情からして当然だ。江藤・加藤は挑発的にそんな言い方をして、戦後文学論争に、あるいは戦後論壇に一石を投じようとしたのである。 書は、2人の文芸評論家の歩みに寄り添いつつ、日人の戦後80年の遍歴をたどる試み。彼らは戦後空間に“アメリカの影”を見て、日の戦後文学がそれらに制約されていることを論証しようとした(それは彼ら自身がそうした制約の枠の中にいることを示している)。彼らは“戦後の我われ”がゆがみ、ねじれていることを自覚している。 評者は、2人はよく似た体質を持っていると思う。ゆがみやねじれが社会的なところから胚胎(はいたい)したのか、あ

    <書評>『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』與那覇潤 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/07/13
    「しかし、戦後文学の達成を虚(むな)しく思い、自らの中のゆがみを個人に根差したものとして感じる者たちにとって、次の戦争はその解決を意味することになるのではないか」。評:川村湊。文芸春秋。
  • 『翻訳する私』(新潮社) - 著者:ジュンパ・ラヒリ 翻訳:小川 高義 - 鴻巣 友季子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    自分自身をべつの言葉に置き換え、変化を恐れずに生きてきた――。ベンガル人の両親のもとロンドンで生まれ、アメリカで育った著者は、幼い頃から自らや家族のことを、頭のなかで常にベンガル語… 自分自身をべつの言葉に置き換え、変化を恐れずに生きてきた――。ベンガル人の両親のもとロンドンで生まれ、アメリカで育った著者は、幼い頃から自らや家族のことを、頭のなかで常にベンガル語から英語に「翻訳」してきた。大人になってから習得したイタリア語に見出した救い、母の看取りなど、自身の半生をひもときながら綴られる、小説を書くことを鼓舞してくれる「翻訳」について考えたこと。 トランスレーションのかなたの世界インド系英語作家だったラヒリがイタリア語で書きだしてから、十年あまりが経つ。書は、小説家が自らの言語能力にあえて枷をはめて書いた翻訳論だ。 英語作家としての地位をすてることを惜しむ人も、なぜわざわざ拙い第三言語で

    『翻訳する私』(新潮社) - 著者:ジュンパ・ラヒリ 翻訳:小川 高義 - 鴻巣 友季子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/30
    「ラヒリは〔自分だけを愛するようにされてナルシシズムの語源となった〕ナルキッソスを原作に、〔言葉をおうむ返しにしか話せなくなった〕エコーを翻訳者になぞらえて語る。」
  • 志賀直哉、唯一の長編に刻んだ苦悩 『暗夜行路』に新草稿 - 日本経済新聞

    小説の神様」と呼ばれる作家の志賀直哉(1883〜1971年)は、なぜ代表作の『暗夜行路』しか長編を書かなかったのか。新たに見つかった自筆の草稿は、そんな疑問に答える一助になるかもしれない。市販のノートに鉛筆で、49ページにわたってびっしりと文字が記されている。繰り返し書き直した跡もある。自ら「遅筆」と認めていた志賀の一字一句へのこだわりが、ひしひしと伝わってくる。『暗夜行路』の新たな草稿は

    志賀直哉、唯一の長編に刻んだ苦悩 『暗夜行路』に新草稿 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/28
    “安岡章太郎は志賀を「本質的に短編作家」と評した。多くの草稿が残る『暗夜行路』は、いくつもの短編をつなぎ合わせた長編という見方もできる。…書くという行為は苦しい。「小説の神様」も同じだったのだ”
  • 『小説を書くということ』(中央公論新社) - 著者:辻 邦生 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    フィクションとは、はじめ私が考えていたような、作者の勝手気ままによって、どのようにもなるというものではなく、むしろ、ある必然の動きをもって作者に迫ってくるものだ、ということができ… フィクションとは、はじめ私が考えていたような、作者の勝手気ままによって、どのようにもなるというものではなく、むしろ、ある必然の動きをもって作者に迫ってくるものだ、ということができます。 フィクションとは、全体の真実を、生きた形で表わすための、必要な新しいパースペクティヴなのです――作家志望者に向けた講座(「言葉の箱」)、フィクション論から自作歴史小説での史料活用法まで。 貧血化し機能化する散文に対する、豊饒な文学世界の実現へと誘う創作論集。 〈あとがき〉辻佐保子〈解説〉中条省平 (目次より) 言葉の箱 Ⅰ 小説の魅力 Ⅱ 小説における言葉 Ⅲ 小説とは何か フィクションの必然性 「語り」と小説の間 小説家への道

    『小説を書くということ』(中央公論新社) - 著者:辻 邦生 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/25
    “自分が消えたのちにも残りうる、愛すべき世界を構築すること。それが小説を書く意味なのだ。〔…〕小説とは「言葉でつくる箱のなかに世界を入れること」”
  • <書評>『凍れる美学 定家と和歌についての覚え書き』沓掛良彦 著:東京新聞デジタル

    著者は八宗(はっしゅう)兼学の徒である。書も広範な知見を思う存分、和歌、特に新古今和歌集を撰進(せんしん)した藤原定家(1162~1241年)を犀利(さいり)に分析検討した好著である。5章仕立てで、あたかも扇状地の広がりのように著者の筆に魅了されて頁(ページ)を繰(く)ってしまうが、主眼は「歌取り」の意義の深さだ。 この模倣とも誤解されがちな技法を、著者は元歌(もとうた)という始原に回帰しつつも、新たに創意工夫を凝らして新規で斬新な歌を詠むことをその真髄(しんずい)としている。 第1章、2章、3章と音楽でいうカノン技法のように、「歌取り」の優美を説き、「点鉄成金(てんてつせいきん)(立派なものに作り替える)」の妙を、わかりやすく「変奏曲」とし、定家こそ私情を一切絶って極限の美へと昇華させた歌人と讃(たた)えている。それは人工美でもあり、「非在の美」でもある。「元横文字屋」と自嘲する著

    <書評>『凍れる美学 定家と和歌についての覚え書き』沓掛良彦 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/22
    “「本歌取り」の優美を説き、「点鉄成金(てんてつせいきん)(立派なものに作り替える)」の妙を、…「変奏曲」とし、…讃えている。それは人工美でもあり、「非在の美」でもある”。評:澤井繁男。
  • 「翻訳する私」書評 外国語と向き合う 思索の結晶|好書好日

    「翻訳する私」 [著]ジュンパ・ラヒリ ベンガル人の両親の元イギリスに生まれ、アメリカで育ったラヒリ。ベンガル語と英語、二つの言語の狭間(はざま)で成長した少女はやがて英語で創作を始め、一躍成功した作家となった。それから十数年後、彼女は大胆な言語的冒険に飛び込む。イタリアに居を移し、イタリア語で創作を始めたのである。書には、自分を「物心ついてからずっと翻訳について考えて生きてきた人間」だと定義するラヒリの、翻訳をめぐり刻々と変化する思考の痕跡が収められている。 自ら選び取った外国語で書き、読むとはどういうことなのか。ラヒリはそれを、ドア、視力の喪失、接ぎ木、といったメタファーで提示する。さらにはスタルノーネの作品を翻訳し、獄中で書かれたグラムシの手紙を読み、翻訳という行為自体を様々なものに翻訳していく。オウィディウスの『変身物語』からエコーとナルキッソスの神話を引き、翻訳と創作の関係を考

    「翻訳する私」書評 外国語と向き合う 思索の結晶|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/22
    「自ら選び取った外国語で書き、読むとはどういうことなのか。…さらにはスタルノーネの作品を翻訳し、獄中で書かれたグラムシの手紙を読み、翻訳という行為自体を様々なものに翻訳していく」。著:ジュンパ・ラヒリ
  • 国語と文学の関係を再考、教師と評論家の視点で 矢野利裕さん - 日本経済新聞

    学校で教わる「国語」と個人的体験としての「文学」。時に対立的に論じられることもある両者について、中高一貫校の国語教師にして文芸評論家である著者が、その歴史や現在地を捉え直し豊かな相互関係を見いだそうとする一冊だ。大学院時代から「文芸評論の言葉は、文学コミュニティーだけで流通する閉じたものと感じていた」という。国語教育は文学を扱う際に「『正解』を求めた画一的な読みを強いるという批判があるが、1つ

    国語と文学の関係を再考、教師と評論家の視点で 矢野利裕さん - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/21
    “しばしば「国語の試験で『作者の意図、気持ちを問う』ことへの批判が持ち出されるが、これは事実誤認」だという。「国語教師は問題を作る中で、小説の言葉の交換不可能性を感じ、その豊かさを再確認しているところ
  • イタリア現代文学案内2025 – Istituto Italiano di Cultura di Osaka

    2025年5月 イタリア文化会館-大阪は、イタリアの独立系出版社のブックフェア「Book Pride」とイタリア文化会館-東京の協力のもと、日ではまだ翻訳出版されたことのない厳選されたイタリア語書籍を紹介する冊子『イタリア現代文学案内2025』を発行しました。 冊子では、小説/エッセイ/グラフィック・ノベルなどの全16作品のあらすじや作者の略歴、翻訳版権を取得する際に必要な連絡先などを掲載。日の出版社や翻訳家、イタリア語学習者といったさまざまな方に向け、文学というフィルターを通じて、ステレオタイプからかけ離れた心躍るような発見に満ちたイタリアを紹介することを目的としています。 『イタリア現代文学案内2025』はイタリア文化会館-大阪 館内にて配布中。 デジタル版はこちら また、冊子内で紹介されている作品は図書コーナーの蔵書として閲覧いただけます。

    イタリア現代文学案内2025 – Istituto Italiano di Cultura di Osaka
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/14
    未翻訳書籍の紹介。「グラフィックノベル」というジャンルがあるのね。『イタリア現代文学案内2020』というのもあったそうで、それはここ→ https://iictokyo.esteri.it/ja/lingua-e-cultura/biblioteca/pubblicazioni-e-libri-consigliati-dellistituto/
  • 「日本語からの祝福、日本語への祝福」書評 私の「オアシス」目指した冒険譚|好書好日

    「日語からの祝福、日語への祝福」 [著]李琴美 タイトルを見ただけで何だかうれしくなる。文を読み進めると、「少女時代からこよなく愛し」「100%自分の意思で選んだ言語」への思いが伝わる言葉選びに、こんなにも日語をいつくしんでくださってありがとう、と感謝や幸福感すらわきおこってくる。 人が外国語を学ぶのは、多くの場合、学業や仕事旅行など何らかの必要に迫られてのことだ。琴峰さんは違う。「台湾田舎」の中学2年生のとき、ふと「日語やってみたいかも」と思った。日語は必修科目でもなく高校入試にも役立たない。留学予定も、周囲に日語を話す人や学ぶ環境もなかったが、だからこそ日語学習は彼女にとって、閉鎖的で高圧的な環境における「私だけのオアシス」だったのだという。 明確な目的もお金もない中学生が、意欲と知恵とインターネットでいかに日語を習得したか。その軌跡は工夫と文化的発見、そこはかと

    「日本語からの祝福、日本語への祝福」書評 私の「オアシス」目指した冒険譚|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/06/07
    「ポケモンゲームでカタカナを、アニメソング動画でひらがなを覚え…」「日本語の様々な疑問や特殊性が他言語との比較から明示され、日本人には母語再発見と異文化理解の楽しみもある」。評:望月京。著:李琴美。
  • <書評>『平家物語の合戦 戦争はどう文学になるのか』佐伯真一 著:東京新聞デジタル

    『平家物語』は、日の古典文学の中でも際だって多くの派生作品を生み、親しまれてきた作品であるが、その内容が大小さまざまな合戦をどの程度正確に反映しているかについては、実はあまり知られていない。書は『平家物語』に描かれた合戦描写を丁寧に検証し、史実との距離を見定めた労作である。そこから見えてくるのは、さまざまな要素が入り交じった表現のあり方だ。 例えば、以仁(もちひと)王の乱を描く巻四「橋合戦」では、23の矢を悉(ことごと)く命中させる浄妙房明秀や、橋桁の上で長刀(なぎなた)を持ったまま、その浄妙房を跳び越える一来(いちらい)法師など、およそ実話とも思えない「ホラ話」が描かれる。その一方で、頼朝の挙兵に続く小坪坂合戦の表現には、地理的にも史実にかなり忠実な描写が見えるという。(ただし、この箇所を載せるのは、『平家物語』の一部のテキストに限られる)

    <書評>『平家物語の合戦 戦争はどう文学になるのか』佐伯真一 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/05/25
    「記録に近い表現と創作に近い表現が複雑に入り交じっており〔…〕。貴族と武士の視点が入り交じっているともいえよう。その意味で『平家物語』は、古代と中世の過渡的な文学作品である」。評:佐谷眞木人。
  • 『ぼくのことをたくさん話そう』(光文社) - 著者:チェーザレ・ザヴァッティーニ 翻訳:石田 聖子 - 沼野 充義による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:チェーザレ・ザヴァッティーニ翻訳:石田 聖子出版社:光文社装丁:文庫(168ページ)発売日:2024-12-11 ISBN-10:4334105327 ISBN-13:978-4334105327 内容紹介: 眠れぬ夜の寝床に霊が現れ、ぼくの手を取って飛び上がり、地獄から煉獄、天国まで、「あの世」への旅にいざなう……。『自転車泥棒』『ひまわり』など20世紀イタリアを代表する映画の脚家が、ユーモラスで味わい深い物語を連作掌編とでもいうべき手法で紡いでいく小説。 ザヴァッティーニ(一九〇二-八九)は、イタリア映画不朽の名作「自転車泥棒」「ひまわり」などの脚家として知られる。しかし、彼は文学やジャーナリズムなど、多岐にわたる分野で活躍した才人だった。書は彼の最初の小説(一九三一年刊)である。刊行当時大きな話題となり、「ザヴァッティーニ事件」と騒がれたほどだったという。 ある日、「ぼく

    『ぼくのことをたくさん話そう』(光文社) - 著者:チェーザレ・ザヴァッティーニ 翻訳:石田 聖子 - 沼野 充義による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2025/05/24
    “「宇宙に浮かぶ惑星」のように各自が一つの世界をなす人間たちの営みから、次々と物語を引き出していく著者の優しくユーモアに満ちた手さばきがすばらしい。”
  • 『オリーヴァ・デナーロ』(小学館) - 著者:ヴィオラ・アルドーネ 翻訳:関口 英子 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    理不尽と闘った一人の女性の勇気の物語1960年代、シチリアの保守的な小村。「女は水差しだから、割った人のところにもらわれていくもの」と母親に擦り込まれた少女オリーヴァは、初潮を迎え… 理不尽と闘った一人の女性の勇気の物語 1960年代、シチリアの保守的な小村。「女は水差しだから、割った人のところにもらわれていくもの」と母親に擦り込まれた少女オリーヴァは、初潮を迎えてからは「純潔を守るため」に、地元の風習と母の教えに従い男子との交流を避け、学校も辞め家のなかで過ごしていた。しかし裕福な菓子店の息子に目をつけられ、16歳の誕生日に誘拐され性暴力を受けてしまう。当時の刑法第544条により、加害者の男はオリーヴァと結婚することで罪が放免されることになる。結婚を迫る男や周囲からの圧力に追い詰められるオリーヴァ。やがて友人や支援者との励ましに自分の心に気づき、法廷でこの理不尽に「ノー」を突きつけるこ

    『オリーヴァ・デナーロ』(小学館) - 著者:ヴィオラ・アルドーネ 翻訳:関口 英子 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2025/05/15
    “60年前のイタリアの話だとばかりは思えなかった…。21世紀の日本で、「被害者は抵抗しなかった」「合意があったと思っていた」と加害者が主張する場面は多く、この警察官と同じ言葉で…”
  • <書評>『ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作』鴻巣友季子 著:東京新聞デジタル

    忘れかけていた英米文学の名作と再会する。書はマーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』やエミリー・ブロンテの『嵐が丘』、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』の訳者による紹介と批評が集められている。 初出は、大西泰斗(ひろと)の名調子で知られるNHK「ラジオ英会話」のテキスト。そのため、英語の学習者も、なるほどとうなずく翻訳の秘訣(ひけつ)が織り込まれている。 たとえば、J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に頻繁に登場するyou。漠然とした聞き手や読者を指すgeneral you(総称的なユー)と考えられ、これまでは「あなた」とは訳されず省略されてきた。ところが、村上春樹訳では「君」とはっきり訳出したと指摘する。さらに著者は、回転木馬に乗る妹フィービーが描写される感動的な場面を取り上げ、このときのyouは、弟のアリーではないかと解釈して、年下の男性を思わせる人称代名詞を使い「ちぇっ

    <書評>『ギンガムチェックと塩漬けライム 翻訳家が読み解く海外文学の名作』鴻巣友季子 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/05/11
    “初出は、…NHK「ラジオ英会話」のテキスト。そのため、英語の学習者も、なるほどとうなずく翻訳の秘訣が織り込まれている”。評:長谷部浩。NHK出版。
  • 喪から「新たな生」へ――ロラン・バルトのテクストにみられるダンテの影響 石井咲

    Du deuil à la « Vita Nova » Sur les influences dantesques chez Roland Barthes Saki ISHII Le présent article analyse les textes de Roland Barthes parus entre 1978 et 1980, centrés sur le projet d’écriture romanesque intitulé Vita Nova. Après la mort de sa mère, au bout d’un deuil d’environ six mois, une sorte de révélation le ramène sur le chemin de la littérature : il écrira un roman comme un « mo

    hharunaga
    hharunaga 2025/05/09
    “プルーストを通じてダンテにもまた自己を重ね合わせている…。ダンテから受けた着想の固有性は『神曲』における「導き手」の役割にあったことを「光」の観点から明らかにしたい。”
  • 書評『詩人たちの自然誌』時田郁子著 - 日本経済新聞

    ヨーロッパの各言語は、それぞれに独自の文学的伝統を育んできた。その中にあってドイツ語文学の魅力の大きな部分は、自然をめぐる想像力にある。自然力の介入や地形の変化に敏感に反応しつつ、人間はみずからの運命を生きる。ロマン主義以後の読者にとっては馴染(なじ)みやすいそんな見方は、しかし今でも強い力を保っているのではないか。書はそんなドイツ語文学の魅力の根底にあるものを、特に19世紀初頭に強調点をお

    書評『詩人たちの自然誌』時田郁子著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/04/26
    「世界周航の時代。…かれら〔フォルスター、フンボルト、シャミッソー〕は地球を広範に旅し、調査し、記述した。…旅と科学と芸術が分離していない、みずみずしい総合知の黄金時代といえそうだ」。評:管啓次郎。
  • 書評『絵本とは何か』松本猛著 - 日本経済新聞

    書の中軸は、「絵は書籍という形を持った、絵画(視覚表現)と文芸(言語表現)が重なり合う表現ジャンルです」と絵について言い切れる現在を、「絵とは何か」を考える分水嶺に位置付けたことにある。書を『絵とは何か』としたのは、同名の書を著した松居直へのオマージュだという。1973年から半世紀を越えてバイブル的に読まれる松居の『絵とは何か』では、子どもはどんな絵を好み、どんなふうに絵の世界

    書評『絵本とは何か』松本猛著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/04/19
    “「絵本を表現ジャンル」とするとき、著者は、絵本の歴史を「絵と言葉が一体化した書籍の起源」、古代エジプトの『死者の書』から紐解(ひもと)いてみせる”。評:石井光恵。岩波書店。
  • 書評『彼女を見守る』ジャン=バティスト・アンドレア著 - 日本経済新聞

    フランスの文学賞として有名なゴンクール賞を受賞した作。500ページに及ぶ、時代の濁流を描く大作、と聞くと怯(ひる)む人もいるかもしれないが、安心してほしい。小説がエンターテインメントであることを忘れずに作家がつづった、美しい物語である。第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけてのイタリアを舞台に、ある天才彫刻家の人生を描く。イタリア北部の修道院に存在する、ある聖母子像の彫刻。それを彫ったのは

    書評『彼女を見守る』ジャン=バティスト・アンドレア著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/04/19
    “物語を読み終えたとき、「彼女」とは誰のことなのか、その問いに新たな光が当たる仕掛けはぜひ本書を読んで確認してほしい”。評:三宅香帆。早川書房。
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