超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽… 超情報化社会にありながら、私たちの暮らしには、昔からの慣習が生きている。ことに、生と死、神と仏に関するしきたりには―。しかし、よく考えれば疑問がいっぱいだ。例えば、神さまに供える賽銭を無礼(?)にも、なぜ投げるのか?玄関になぜお札を帖るのか?葬儀でなぜ香典を出すのか?死者になぜ枕飯や火を供えるのか?それら民俗信仰のもつ意味を見つめ直し、自らの来歴を忘れがちな現代人に改めて問う、示唆に富む論考。 目次 第1章 四季おりおり 第2章 暮らしと信仰 第3章 比叡山の水脈 第4章 葬儀と墓 第5章 死の神話 第6章 賽銭はなぜ投げるのか 身近な民俗信仰から探る伝統の意味書名を見た時、すぐに思ったのは、賽銭(さいせん)