厚生労働省は、心臓内に挿入するカテーテルなどの医療機器を再利用する際の基準案をまとめた。一度だけの使用で廃棄している機器が対象で、製造販売業者が分解、洗浄・減菌すれば医療機関に出荷できるようになる。安全性を確保するため、感染症の患者の治療・検査に使われたものは、再利用の対象外としている。【新井哉】 治療や検査で一度だけ使った後に廃棄処分にしている「単回使用医療機器」(SUD)に関しては、欧米では一定の条件の下で再利用が認められるケースが少なくない。しかし、日本国内では、再利用に関する基準や指針はなく、洗浄や減菌を行えば再利用できるとみられる機器が廃棄されている。 こうした状況などを踏まえ、厚労省は、オリジナル品と同じ用途で再利用できるようにすることを「再製造」と定義。「再製造」の部品は、国内の医療機関で使用されたものに限定し、海外の医療機関で使われたものが国内に流入することを防ぐ方針だ