中国政府による少数民族の弾圧が続いている。南モンゴル出身で静岡大学教授の楊海英さんは「根底には、歴史を自国にとって都合のいいものにする『歴史改竄』がある」という。ライターの山川徹さんが聞いた――。(前編/全2回) 中国によって私の故郷の歴史は塗り替えられている ――楊先生は、中国政府による「歴史の書き換え」について、これまで幾度も警鐘を鳴らしてきました。歴史の書き換えは、日本にどのような影響を及ぼすのでしょうか。 【楊】中国政府による歴史の改竄を他人事だと感じて、日本への影響を懸念する人は少ないかもしれません。しかし、2026年には在留中国人が100万人を突破する日本にも降りかかってくる危険性があります。 私は中国東北部の南モンゴル(編集註:中国は「内モンゴル自治区」と呼称。本稿では南モンゴルで統一)のオルドスという町でモンゴル人として生まれました。いま私の生まれ故郷では、まさに歴史の書き