はじめに昔の日本家屋や古民家を見ると、やたらと窓が大きいことに気づきませんか? 現代の住宅では「断熱」「気密」「省エネ」が重視され、小さめの窓に複層ガラスや樹脂サッシが当たり前になっていますが、かつての家はまるで真逆の思想です。 家のリフォームを進める中で「どうしてこんなに寒そうな家を建てたの?」と疑問に思っていたところ、古民家のリノベーション経験が豊富な大工さんに聞いたら、思わぬ答えが返ってきました。 「寒いのは当たり前」という暮らしの常識まず驚いたのが、大工さんのこんな一言。 「昔の人は、家の中が寒いのが当たり前だと思ってたんですよ」 現代人のように「冬でも家の中はぽかぽか」という発想がなかった時代、寒さを我慢するのは生活の一部だったそうです。 その分、火鉢やこたつ、囲炉裏などで局所的に暖をとる暮らしが基本でした。つまり、家全体を温めるという考え自体がなかったんです。 大きな窓の目的は