半導体メモリー開発のフローディア(東京都小平市)が、AI(人工知能)演算をメモリー上で処理する「コンピューティング・イン・メモリー(CiM)」技術の実用化に乗り出す。従来のGPU(画像処理半導体)やNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)に比べ、消費電力を最大1000分の1に抑える可能性があるという。8月末には試作チップの評価を終え、顧客提案を始める。 CiMは、各メモリーセルが保持する係数と入力電圧を掛け合わせて出力される電流を合算することで、演算を行う。データの移動を伴わず、アナログ的な物理量の処理によって行列演算を実現するのが特徴だ。フローディアが長年手がけてきた電源を落としても記憶を保持し続ける不揮発性の「SONOS型フラッシュメモリー」を基にする。 GPUとCiMの比較(提供:フローディア) 同社は日立製作所や現ルネサスエレクトロニクス出身の技術者らが2011年に設立。高い