脳の老化速度を測定することで、症状が現れる前から疾患を予測し、予防できるようになる可能性が、2つの画期的な研究で示された。(ILLUSTRATION BY OSAKAWAYNE STUDIOS, GETTY IMAGES) 生きているかぎり誰もが老いていくものだが、老化のスピードや、老年になったときに健康でいられるかどうかには大きな個人差がある。では、自分の脳はどれだけ速く老化しているのだろうか。最近発表された2つの画期的な研究で、それが今までになく簡単に判定できるようになるかもしれない。 7月9日付けで医学誌「Nature Medicine」に掲載された米スタンフォード大学の研究では、血液に含まれるタンパク質を調べる検査によって、臓器ごとの「生物学的年齢」を推定している。 「臓器の生物学的年齢とは、特定の臓器がどの程度よく機能しているか、どの程度衰えているか、どの程度病気になりやすいかを