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井上靖『敦煌(とんこう)』の物語は、おもに西夏(せいか)の領内において展開される。この小説の主人... 井上靖『敦煌(とんこう)』の物語は、おもに西夏(せいか)の領内において展開される。この小説の主人公は、進士の試験をうけるため、都にのぼったが、ふとしたことから失敗した。 そのとき、開封の街頭で出あったのが、西夏の女であった。 女は 一枚の布片をくれた。 「それには、異様な形の文字のようなものが、十個ずつ、三行に認められてあった。」それが西夏文字であった。 男(趙行徳)は、この未知の文字がもつ魅力にとらえられた。ついにみずから西夏の国をおとずれようと決心する。 「西夏というのは、チペット系のタングート族の建てている小国で、この種族は早くから五涼地方の東方に蟠踞(ばんきょ)していた。 五涼地方は、いわゆる夷夏雑居の地で、タングート族以外に、ウイグル(回鶻=かいこつ)、チベット(吐蕃=とはん)をはじめとする雑多な少数民族がむらがっていて、その幾つかは小さな王国を建てていたが、太祖のころより、ひと
2021/01/09 リンク