「中小企業のための銀行」──。そんな理念を掲げて、同時期に設立された2つの銀行の明暗が分かれている。... 「中小企業のための銀行」──。そんな理念を掲げて、同時期に設立された2つの銀行の明暗が分かれている。2005年に開業した新銀行東京と2004年の日本振興銀行。ともに財務データを基に融資の可否を自動審査する「スコアリングモデル」を使い、中小企業向けの融資を主体とする新しいビジネスモデルを目指した、いわば“同期生”だ。 それから3年。片や新銀行が経営危機に陥っているのに対し、振興銀行は本業の儲けを示す業務純益が2008年3月期に初めて黒字化することが確実になった。この差は何なのか。 振興銀行の幹部はあっけらかんとした様子で明かす。「実は、スコアリングモデルは使い物にならないことがすぐに分かった。1億円近い融資をした企業が破綻して、あわててビジネスモデルを切り替えた」。変更点は大きく分けて2つあったという。 1つは融資の徹底した小口化だ。少額融資を満遍なく散らすことによって、リスク分散を図った。
2009/06/12 リンク