私はグローバル気候変動が突きつける哲学的問題に専門家として関心を抱いてきた。このテーマで本を書い... 私はグローバル気候変動が突きつける哲学的問題に専門家として関心を抱いてきた。このテーマで本を書いたり、講演をしたり、カンファレンスに出たり、パネルとして発言したりもしてきた。だがこうしたイベントに出ると大抵、(少なくない人にとって意外に思われるだろう理由で)ひどく苛立たしい思いをすることになる。こうした場の多くで、本来なら気候変動の突きつける真に厄介な哲学的問題(まずもって将来世代に対する私たちの責務をどう考えるかに関わっている)に集中したいところなのに、かなりの時間をデマ(misinformation)の訂正に費やすことになるのだ。念のため言っておくと、ここで問題にしているのは、一般市民ではなく、大学教授がよく信じてしまう類のデマである。 気候変動に関するデマが深刻な問題であることは誰でも知っている。国連がこのテーマに関して大規模なレポートを出したばかりだ。残念ながら国連のレポートも、右
2025/06/26 リンク