「色は、実在しない」 という、刺激的な一文から始まる。 え? そこらじゅうに「色」あるじゃない? む... 「色は、実在しない」 という、刺激的な一文から始まる。 え? そこらじゅうに「色」あるじゃない? むしろ色が無いなんてものは存在しない。色は常に実在し、たとえ私がいなくても、ずっと存続し続けるように思える。 ところが、これは誤解だという。私たちが知覚している色は、私たちの頭の中以外には存在しない。色は、いわば光のトリックであり、生物がそれを見て初めて現れるものだと言うのだ。 では、色とは何か? この難題に対し、物理学、美術史、心理学、文化人類学など、様々な分野から光を当て、浮かび上がらせたのが本書になる。さらには、宗教や絵画、食品・医療における配色の応用や、コマーシャリズムにおける色の役割にも踏み込む。 色は主観か客観か 様々な人が「色とは何か」の問題に取り組んできたのだが、中でも面白かったのが、ゲーテとニュートンだ。 色とは、客観的に測定できる光の性質に過ぎないとするニュートンと、色は見
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