農林水産省は14日、2030年のコメの輸出を現状の約8倍へ大幅に引き上げる方針を示した。輸出分の生産を拡大し、国内で不足した際には国内流通にも活用できるよう、生産基盤を強化する狙いだ。こうした政策は以前から有識者らが求めていた。しかし、長粒種米が需要の大半を占める海外で日本の短粒種米は売れにくいといった理由から、国は輸出拡大に消極的だった。これまで需要の先細りに合わせ生産を絞る政策を続けてきたが、昨夏から続く米騒動を受け、〝ようやく〟方針転換を決断したようだ。 江藤氏「不可能な数字ではない」「世界のコメの輸出総量は約5000万トンで、そのうちの短粒種は約1000万トン。マーケットを取るのは簡単ではないが、実現不可能な数字ではない」 江藤拓農水相は14日の記者会見でこう強調し、30年のコメの輸出目標達成に自信をみせた。訪日客の増加や世界的な和食ブームにより、粒が小さく短い単粒種米の需要の増加