20年以上前の著作だが、もうすぐ翻訳が出るというLuhmann(1991)(リスクの社会学)を巡ってのシンポジウム。「ルーマン読み」だけが聴衆ではない前提での報告のため、『リスク論のルーマン』(2003)は斜め読み、ルーマンの諸著作もほぼ耳学問な私にも、しっかり伝わってくる内容だったので昨日は出席して良かった。 以下は、翻訳が出たら、ぜひ読んで解消したい疑問点メモ。 (1)帰責と法システム 決定者と被影響者の見方の違い、とりわけ帰責を巡る対立に着目し、それがいかにして生じるかのメカニズムを明らかにしようとする「第二次の観察」には意義深いものがあるだろう。しかし、本来帰責を巡っては、正義・不正義という法(または倫理)の二値コードが関与してくはずではないか。今回の報告でそれが欠けているように思えた。というのも、法システムに重要な意味を持たせないで、決定者が「天災」を主張し、被影響者が「人災」を