「賢者が描く10年後のインターネット」は今回が最終回。最後の賢者は米グーグルでアクセシビリティを担当するリサーチサイエンティスト、T.Vラマーン氏だ。アクセシビリティとは年齢や身体の条件に関わらずアクセスできる環境を作り出すことを指す。盲目のプログラマーであるラマーン氏は、誰にでも便利で自由になるインターネットの未来図を描いていた。本誌の特集「シリーズ動き出す未来(4)ネット化する70億人」とあわせてお読み頂きたい。 アクセシビリティとは、どのような仕事ですか。 私がグーグルに来たのは8年前。その前は米IBM、さらにその前は米アドビシステムズに在籍していた。コーネル大学を卒業し、アクセシビリティの仕事に就いた。1989年ごろだね。当時、インターネットはあったが、まだ始まったばかりだ。しかし、その時でも多くの情報がオンラインにあった。 盲目でインド人だった私が見つけたチャンスがあった。非常に
この原稿は昨日買ったばかりのiMacで書いている。 例によって、パソコンが壊れたからだ。 いま、「例によって」と書いたのは、事実として、パソコンの死が、私にとって日常の出来事だからだ。 放置しておいた正月の餅にカビが生えるのとまったく同じように、パソコンは、ごくごく日常的にクラッシュする。私は驚かない。どちらかといえば、去年の暮れに金魚が死んだ時の方が動転したかもしれない。 実体験から申し上げるに、パソコンは、あるタイミングで頓死するものだ。あれは、徐々に壊れるような柔軟な機械ではない。天寿をまっとうすることもない。大往生もしない。デジタルのこしらえものは、ある日突然、箱の中のカブトムシみたいに急死する。それも、多くの場合、働き盛りの一番忙しいときに。 とはいえ、注意深く観察していれば、かすかにではあるが、予兆が無いわけではない。 たとえば、ハードディスクがクラッシュする前段階では、ディス
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