2005年、ガンバにとっても自身にとっても初のJ1制覇を成し遂げる。西野監督(手前)が涙を見せたのはこの一度きりだ。(C)J.LEAGUE PHOTOS 画像を見る 日韓共催のワールドカップ開幕を5か月後に控えた2002年1月、ダンディズムの塊のような新指揮官が万博の地を踏んだ。 その第1声を聞き、鳥肌が立ったのをいまでも覚えている。 「なぜこのチームが勝てないのか。それを考えた時に、ぬるま湯に浸かっている意識やムードが一番の原因なのかなと思う。根本的に変えていかないと上には立てない」 ガンバ大阪の新監督に就任した、西野朗氏である。よく見ている、核心を突いていると感心した。 正直、バイオリズムがまったく読めない。そこはストライカー出身だけあって独創的で、頑固で、サッカー哲学にも尋常ではないこだわりがある。下手な質問をすれば「なんだよそれ」とそっぽを向かれてしまう。一方でたまに的を得ると、「