優勝劣敗が鮮明に巨大商社の業績悪化、シャープの赤字転落、マクドナルドの苦境……。アベノミクスは大企業に恩恵があるのではなかったのか。岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏と、セゾン投信社長の中野晴啓氏が日本企業の異変を読み解く。 石黒 6大商社の一角を占める丸紅が原油・ガス開発などに絡んで1200億円の減損損失に追い込まれ、住友商事もシェール・オイル開発の失敗で2400億円の巨額減損処理をした。絶好調と言われていた商社が曲がり角に立っています。 中野 資源分野は商社の稼ぎ頭ですが、原油価格下落に足を滑らせている。三菱商事、三井物産も減損を余儀なくされました。 石黒 私が気になったのは、丸紅が'13年に約2700億円をかけて買収した米国の穀物メジャー・ガビロンに関しても減損をしたこと。資源以外の大型投資案件もうまくいっていないことが明らかになったわけです。大手商社は資源バブルに沸いた'0