戦前に女性を性奴隷状態にした「慰安所」の設置や管理、女性の移送で日本軍の関与と強制を認めた「河野洋平官房長官談話」(1993年)に反して、政府が96年以降、民間研究者が発見した関連資料を受け取り拒否・排除していたことが21日、わかりました。同日の参院決算委員会で、日本共産党の紙智子議員の質問に内閣官房が答弁しました。 河野談話は「政府としても、今後とも民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい」としています。しかし内閣官房は2014年、民間研究団体が提供した公文書を含むファイル3冊分の関連資料を、数カ月後に破棄する旨を通知していました。紙氏がただしたことに対し、内閣官房の清野晃平内閣参事官は、96年に当時の平林博・内閣官房内閣外政審議室長が省庁と国会図書館に関連資料の報告と提出を依頼した通知(「平林通知」)を挙げて、「民間研究機関からの資料は受け取らないことにしている」と答弁しました。