はじめに CPI(消費者物価指数)への関心は、日銀による目標設定とその実現のための金融政策の展開や賃上げへの期待などもあり、ますます高まっている。こうした中、中立的と見られている民間機関の予測が注目を浴びているが、日銀・政府によるCPIの目標設定と見通し、更にはCPIの足下の実績は、民間予測に影響を与えたのだろうか。下図により振り返ってみる。これは、民間予測平均の公表時点を基本とし、実績値や日銀・政府見通し等を、それらが影響を与え得る民間予測公表の年月にプロットしたもので、実際の公表・発表年月や調査対象年月とは異なる。 物価安定目標の導入・時間軸の導入・「次元の違う」金融政策と民間予測 2013年1月22日、白川前総裁の下、日銀はCPIの前年比上昇率2%(生鮮食品を除く総合。消費税率引上げの影響を除く(※1)。以下同様。)との物価安定目標を導入した。その後、2014年度CPIの民間予測平均