「フジワラノリ化」論 第13回 スガシカオ サングラスの向こう側 其の一 「スガシカオが好きな人を好きになれない」と言い続けてきた理由 自分の大好きなミュージシャンやタレントや作家をせせら笑われる経験は誰しもお持ちであろう。その瞬間、苛立つわけだ。当然、問い返す。すると、その相手はその対象を何も知らないようなのである。それでいて、その対象に対する嫌悪感を述べてくる。更に苛立つ。でも、自分はそうはならない。苛立たない。その対象について何も知らないのに、とある嫌悪感を抱くのは何故なのだろうかと、相手の理由を何としてでも知りたくなる。そこで更に問い詰めると、相手は、その対象の深部には全く触れない外枠から見える風景を存分に語ってくれる。いわゆるイメージというやつである。そのイメージを聞くと、必ず、その対象に対して新たな視座を与えてくれる。 ファンというのは盲目だ。失敗した毛染めを見ても、「そのアン