米IBM社は2016年2月、「Electronic Blood (電子血液)」を開発中であることをブログなどで明らかにした。生物の脳を巡る血管と血液が、脳への栄養補給と排泄、そして冷却システムを兼ねていることを模して、3次元半導体への給電と冷却を、共に液体で実現することを狙う。2016年3月のドイツでの展示会「CeBIT 2016」ではデモを披露する計画だ。 電子血液の実体は、バナジウム(V)イオンの水溶液である。IBM社はこれを用いて、3次元の半導体チップを液浸冷却すると共に、レドックスフロー電池†と呼ばれる蓄電池の活物質兼電解液としても用いることで、化学的に給電することを目標としている(図1)。