lynx   »   [go: up one dir, main page]

タグ

よみものに関するwhite_lemonのブックマーク (2)

  • 天才が死んだ

    天才が死んだ。彼女とは高校の部活で出逢った。自分という可能性に自惚れやすい時期だったにもかかわらず、自信という自信を木っ端微塵に打ち砕かれた。圧倒的なまでの天才。その天才が死んだ。自殺だった。 次の休日。同じ部活だった後輩に会いにいった。もう何年も会ってなかった。後輩は天才と同じ道に進んだが、持っているモノが違いすぎた。歌手としてデビューするもパっとせず、今は秋葉原で路上パフォーマンスをしているらしい。駅をでるといくつもの人だかりができていた。大きなかたまりから探していくと見つけることができた。7番目だった。体に密着したエナメルの衣装は申し訳程度に体を隠すだけで水着と遜色のないくらいに肌が露出していた。不自然に高い甘えた歌声は観客には届いてないようだった。ぴろりん。ぴろりん。観客たちは忙しそうに彼女のスカートの中身を携帯のメモリーに入れていた。 前日の夜、友人に電話をした。彼女も天才に打ち

    天才が死んだ
  • 人を殴りたくてしょうがない

    変態っていうか、性的な欲求ですらなくて、もうただただ人を拳で殴りたくてしょうがないという知り合いがいる。格闘技はしていない。スポーツっぽいものには一切魅力を感じないらしい。他人の身体を物理的に傷つけたいだけ。 これだけ書くとどうしようもない屑だ。実際のところ、屑なんだろう。でも彼は(少なくとも今の私のように、仕事で知り合ってときどき一緒に事をするくらいの、あっさりした関係にあるうちは)、頭の回転が早くて、心遣いが濃やかで、とびきり素直な、いいやつだ。 それは空腹のような、眠気のような、理由のない衝動なのだと彼は言う。 それが良くないことだというのはただの知識で、結局のところ逆らえないということはよくわかっているのだと言う。 殴れば相手は痛い。それはよくわかっている。彼は人の苦痛に対する感受性がないのではない。苦しむ人への共感は、おそらく人並み以上にある。 でもその衝動はそんなものとは比べ

    人を殴りたくてしょうがない
  • 1
Лучший частный хостинг