先月(2018年2月)号で鉄道が好きなのは鉄道のない村で育った反動かもしれないと書いた。我ながらしつこいと思うが、実は鉄道のない村で育ったことでさらにもう一つ筆者の性格に歪みをもたらしたものがある。スワローズが好きなのである(誤解のないよう急いで付け加えるが、鉄道やスワローズが好きな人の性格が歪んでいるというわけではない。好き嫌いに本来理由はいらないはずであるのに、筆者の場合は好きになる動機が不純だということである)。 ただ、そう言われても若い人にはその結びつきがわからないであろう。スワローズは筆者の少年時代は「国鉄」スワローズであった。しかも昭和5年にデビューした特急「燕」は、東京―大阪間を8時間20分で結ぶ当時の「超特急」、国鉄の看板列車であった。以来幾星霜、今でも九州新幹線には「つばめ」が走っているし、JRの長距離バスの側面にはツバメが軽やかに舞っている。筆者の中では鉄道とツバメは分