あまりそういうことを書くと、いかにも自慢しているように思われそうだが、かつて60年代、70年代には、私の書いたものに共鳴して海外にとびだし、身をあやまった若者たちが少なくなかった。ごめんなさい。 望月さんは、身をあやまらずに自分の生きる道を確立した幸運なバガボンドのお一人である。その経緯は、望月さんの著書『青年と砂漠』(講談社出版サービスセンター刊)にくわしい。 (五木寛之『みみずくの夜メール』幻冬舎文庫、2005) こんばんは。望月さんというのは望月勇さんという気功の専門家のことで、その望月さんに影響を与えた《私の書いたもの》というのが五木寛之さんの代表作のひとつである『青年は荒野をめざす』です。昔、読みました。若者たちを海外へと誘い、身をあやまらせたという点で、沢木耕太郎さんの『深夜特急』に似ています。青年は深夜特急に乗って荒野をめざし、 バガボンドに。 かつての教え子のパパが紹介して