「白ポスト」をご存じだろうか。成人向けの雑誌やコミックを回収するため、駅前などに設置された箱で、その歴史は60年余りに及ぶ。京都にほとんどないが、滋賀ではまだ60基近く残る。デジタル化が進む中で今後の行方はどうなる? 白ポストは1963年、兵庫県尼崎市で誕生した。「青少年に読ませたくない雑誌」を回収する目的で、ドラム缶を白く塗って街角に置いたのが始まりとされる(同市ホームページ)。 貸本マンガや不良雑誌などを対象にした50年代からの「悪書追放運動」にも呼応し、白ポストは各地に広がった。「やぎの箱」「有害図書回収箱」とも呼ばれ、色や形はさまざま。80年代にアダルトビデオ、90年代にはDVDが登場し、回収されるようになった。 青少年の育成に関わる団体などでつくる滋賀県青少年育成県民会議の50年誌には、66年10月に「県下の主要駅頭に白ポスト(10基)設置」との記述がある。同会議によると、現在は