この記事の3つのポイント セガは創業当初のエヌビディアの実力を買っていた 戦略ミスからセガとの契約は打ち切られた ファンCEOはセガに直談判に行った 時価総額世界一を2024年6月に達成した米エヌビディアだが、創業当初には破綻寸前の状況を経験している。戦略ミスから資金枯渇を招く恐れがあったが、同社の最高経営責任者(CEO)のジェンスン・ファン氏が直談判に向かったのは、ある日本人だった。『NVIDIA(エヌビディア)大解剖』(島津翔著、日経BP)から一部を抜粋してお届けする。 創業して初めてグラフィックス・チップを開発した当時から、エヌビディアに興味を示したのはセガの米国法人だった。セガは当時の売れ筋ゲーム機だったセガサターンのソフトをパソコンゲームとしても利用できないかと考えており、エヌビディアとのライセンス契約を結んだ。エヌビディアによれば、セガとの契約は1995年7月。最初のチップの発